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【2021年振り返り #3】半導体不足のインパクトを受けながらもSwitchとウマ娘が独走したゲーム業界

Techable / 2021年12月25日 11時0分

2021年も残りわずかとなってきましたが、ゲームの世界でもいろいろなことがありました。ステイホームでゲーム需要が伸び続けている一方で、リアルイベントが軒並みオンライン開催となるなど、新型コロナウイルスの影響も色濃く出た1年でした。

本記事では主だった2021年のゲームの世界を振り返ってみたいと思います。

ゲームハード

2020年は新世代機と呼ばれるゲームハードが2つ登場しました。1つはPS5、もう1つは新型Xboxです。どちらのゲームハードも新世代機にふさわしいスペックを有しており、2021年の主役になると予想されていました。

しかしながら、国内の売上を見てみると、現在は任天堂の独壇場といっていい状況です。

PS5は発売時からオンライン予約での販売が基本で、店頭で見かけることは現在もあまりありません。都心の家電量販店ではときおり在庫が復活することもあるようですが、全国的には抽選販売が続いています。一方の新型Xboxも店頭で取り扱っている店舗が少なく、オンラインでの入手が一般的。

世界的な半導体不足もあって、PS5は発売から1年を経過しても十分な量を生産できず、春~夏にかけて落ち着きを見せ始めたオンラインでの抽選倍率も10月あたりから再び上昇傾向に転じています。

一方で、好調な売上を記録しているのがSwitchです。今年10月に有機ELパネルを採用した新型を投入し、こちらも抽選販売になるほどの人気ぶり。後述しますが、桃鉄やモンハンライズを始め、ポケモン、あつ森など超強力なゲームラインナップで独走状態が続いた1年だと言えます。

任天堂の2021年4~9月売上高は6,242億円で、純利益は1,718億円。『あつまれ どうぶつの森』がヒットした前年同期に比べると減ってはいるものの、高水準をキープしています。とはいえ、世界的な半導体不足の影響でSwicthも減産を余儀なくされる状況で、2021年度の販売計画数を150万台減らす(2,400万台)とのコメントもありました。

ゲームソフト・アプリ

ゲームハードとソフトはある種、表裏一体の面があるので、今年はSwitchタイトルのヒットが鮮明になった1年でもありました。

2021年発売のSwitchタイトルでヒットしたのは、『モンスタハンター ライズ』、『スーパーマリオ 3Dワールド+フューリーワールド』、『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が挙げられます。いずれのタイトルもSwitchでしかプレイできないゲームで、ハードを牽引する強力なタイトル群です。

また、昨年大ヒットを記録し、今なお売れ続けている『あつまれ どうぶつの森』の追加コンテンツも11月に投入。これも幅広い層に受けています。

一方、ゲームと言えばスマホゲームも忘れてはなりません。今やスマホは1人1台のみならず、iPhoneとAndroid同時持ちなど2台所有の人も増えています。スマホゲームで今年のヒットといえば、『ウマ娘 プリティーダービー』です。

2021年2月にサービスが開始された本作は、競走馬を擬人化した育成型RPG。アニメやグッズのマーチャンダイジングも大ヒットしており、ゲームを知らない人でも『うまぴょい伝説』の一節はSNSやTikTokで耳にしたことがあるかもしれません。

ウマ娘はサイバーエージェントグループのCygamesが運営をしていますが、同グループの藤田社長が「サービス開始から7ヵ月だが、1,000万ダウンロードを超えた。自社の非常に大きなIPとして、長年にわたって大切にしていきたい」とコメントするほどに成長しました。

この成長を裏付けるように、2021年9月期通期(2020年10月1日~2021年9月30日)の連結業績は、売上高が6,664億円(前年同期比39.3%増)、営業利益が1,043億円(同208%増)、純利益が416億円(同528%増)と驚きの数字のオンパレード。

特にウマ娘を提供するゲーム事業が好調なことを受け、売上高・営業利益とも過去最高を記録しており、2021年の流行語大賞に「ウマ娘」がノミネートされるのも納得のヒットぶりです。

イベント関連

ゲームに関するイベントと言えば、グローバルではE3、国内では東京ゲームショウがビッグイベントとして毎年開催されています。2021年は6月にE3、9月に東京ゲームショウが開催されましたが、いずれも原則オンラインでの開催にとどまりました(東京ゲームショウは、インフルエンサーやプレス向けに一部オフラインでの展示もありました)。

特に東京ゲームショウは、新作の試遊ができる国内最大級のイベントとしてゲーマーたちにはおなじみですが、2020年に引き続き2年連続のオンライン開催で閉幕。とはいえ、ゲーム音楽にフォーカスしたプログラムを用意するなど、工夫も見られました。

2022年の東京ゲームショウは、2022年9月15~18日に幕張メッセで開催されることがすでにアナウンスされているので、新型コロナウイルスの状況次第ではありますが、あの興奮が帰ってくる可能性があります。

駆け足で2021年の主だったゲームトピックをピックアップしましたが、2022年はどんなゲームが私たちを楽しませてくれるのでしょうか?

(文・辻英之)

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