CMC製造における匠の技術を標準化。ベテラン検査員の暗黙知をAIが代替、作業時間84%短縮
Techable / 2022年1月12日 8時0分
第一工業製薬株式会社(以下、第一工業製薬)と、株式会社HACARUS(以下、ハカルス)は、「カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)」の製造工程における途中経過の判定において、従来の検査速度を大幅に上げる検査技術を開発。
品質の高さや供給体制の安定化を実現し、検査員の負荷軽減と熟練技能の継承につなげます。
匠の技術を自動化第一工業製薬は、セルロースを原料にCMCを製造。その工程では、水分含有量の調整が不可欠で、適切な配分が決まっています。ただし、可視光による画像検査では測定が難しく、従来は溶剤を用いた容積測定や5年以上かけて育成したベテラン検査員らによる目視検査、手で握った際の感触などで判定していました。
そこで今回開発したのが、検査員の経験に大きく頼っていた判定を自動化する技術。少量のデータでAIを構築し、外観測定技術の課題解決策を提示しているハカルスとの連携により、実現しました。
測定は、近赤外線カメラといった最新のセンサーと、撮影した画像を分析するAIを組み合わせて実施。適切な水分量の正常品に対して、水分過多であれば撮った画像が黒くなりすぎたり、水分不足であれば白くなりすぎたりします。
また、水分量の適切な状態やピーク値をグラフ化し、数値で表現することも可能です。
本技術は、実証実験を経て、2021年11月から試験運用を開始しました。
測定装置を導入したその日から、ベテラン検査員と同等の判定が可能に。結果は客観的な数値として示されることから、検査員ごとのばらつきを低減できるほか、技術の継承も容易になりました。1回の測定検査にかかる作業時間が、30分程度から5分程度へと、約84%削減できるケースもあったといいます。
両社は、同技術を活用することで、工程安定による製造量増加や、工場、製造ラインの拡張のほか、時間短縮によって作業点数も大幅に増加できると見込んでいます。また、人件費をはじめ、検査や検査員育成のコストが今後2〜3年で、50%程度削減できる見込みもあるようです。
今後は、水分含有量の測定技術を、CMC以外の化学物質など、他の素材への適用も進める方針です。
PR TIMES
(文・和泉ゆかり)
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