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エアモビリティの運航を支援。雲の内部を観測し、雨や雪を自動判別する多周波気象レーダー開発へ

Techable / 2022年1月7日 12時0分

株式会社ウェザーニューズは、雲内部を高解像度に観測し、雨・雪・雲(霧)を自動判別する多周波気象レーダーシステムの開発を開始したことを発表。

大阪大学大学院工学研究科 牛尾知雄教授の協力のもと、空飛ぶクルマやドローンといった次世代エアモビリティの安全運航をサポートするシステムを構築します。なお同システムは、2024年のプロトタイプ完成、2030年頃の運用開始を目指すとのことです。

複数の周波数帯で、雲内部を観測

空飛ぶクルマやドローンなどの安全な運航には、気象情報が不可欠。飛行ルート上に雲があるとき、その雲は雨雲なのか雪雲なのか、雨や雪の強弱の程度はどうかなど、詳細な情報の把握が必要となります。しかし、既存の気象レーダーやライブカメラ、衛星画像などでは、雲の内部を高解像度に観測することは困難なようです。

そこで同社は、気象レーダーに用いる周波数帯の“種類によって捉えやすい気象現象が異なる”という特性に着目。従来の気象レーダーは、1つのレーダーシステムに単一の周波数帯を利用していますが、同社が開発するレーダーは、1つのレーダーシステムに複数の周波数帯を利用する多周波気象レーダーシステムとなります。

複数の周波数帯を利用することで、雲内部を高解像度に観測し、雨・雪・雲(霧)の判別が可能になるとのこと。ドローンなどが飛行する低高度の雲の内部を観測し、エアモビリティの運航をサポートしていく構えです。

同システムは、2024年末までにプロトタイプを完成予定。ドローンの運航を支援する実証実験や量産試作などを経て2030年頃の運用開始を目指すとのことです。

エアモビリティの安全運航への貢献

同社は、気象情報の提供を通じ、空飛ぶクルマの実用化やドローンの普及にも貢献しています。たとえば、2021年12月に三重県鳥羽市にて実施された実証実験への参画がそのひとつ。

同実験は、エアモビリティ株式会社が開発する、空飛ぶクルマのナビゲーションシステム「AirNavi」のプロトタイプをドローンに搭載し、その性能などを検証するというものでした。同実験には、東京海上日動火災保険株式会社やKDDI株式会社など10社が参画していて、同社は気象情報の提供という役割を担いました(詳しくはこちら)。

株式会社ウェザーニューズ
PR TIMES(「AirNavi」実証実験)

(文・Higuchi)

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