日揮、クリーンミートの商業化に向けて技術開発を行う新会社設立。効率的な培養肉の生産を目指す
Techable / 2022年1月11日 11時0分
人口増加による食肉消費量の増加や、家畜からの温室効果排出ガス抑制といった課題に対応するため、代替肉の普及に対する期待が高まっています。
そんななか、日揮ホールディングス株式会社は、国内EPC事業会社である日揮株式会社が、このたび株式会社オルガノイドファーム(以下、オルガノイドファーム)を設立したと発表。代替肉のなかでも、クリーンミート(培養肉)の商業生産を目指し技術開発を行います。
注目の代替肉、クリーンミートクリーンミートは、動物の細胞を体外で培養して生産される食肉。植物由来代替肉と比較して動物性の栄養素を補えるなどの利点を有し、新たな代替肉の生産方法として注目されており、2040年には食肉全体の35%をクリーンミートが占めると予測されています。
世界中で多くの企業がクリーンミートの研究を進めているものの、高品質かつ効率的に生産するためには、コストをはじめとした多くの課題が残されているそうです。
オルガノイド技術を適用し、時間短縮と低コスト化を実現本技術開発では、横浜市立大学武部貴則特別教授(東京医科歯科大学教授、シンシナティ小児病院准教授を兼任)および、順天堂大学赤澤智宏教授が開発した、食肉オルガノイドと呼ばれる組織体を作成する手法を世界で初めて適用します。
オルガノイドとは、「器官(organ)」と「〜に類似したもの(-oid)」の造語で、立体的な3次元構造を形成するよう培養された立体組織のこと。
特定の幹細胞を使用した食肉オルガノイド作成技術では、細胞が自発的に組織化する特徴により、効率的に培養肉を生産することが可能に。時間短縮と低コスト化の実現を通じて、商業化に向けたスケールアップが期待できます。
クリーンミート生産技術の確立を目指す今後は、日揮グループが医薬品分野を通じて培ってきた細胞培養関連技術や大規模生産を可能とする工程の自動化・効率化などのエンジニアリング技術力を駆使し、外部の知見も活用しながら、栄養改善などを実現する高機能・高付加価値なクリーンミート生産技術の確立を目指す予定。
クリーンミートの普及を通じて、畜産生産体系における温室効果ガスの削減と、人々の健康で豊かな生活の実現に貢献していくとしています。
PR TIMES
(文・和泉ゆかり)
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