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USENらが“音の力”を共同研究。BGMがコールセンターのオペレーターに与える効果とは?

Techable / 2022年1月27日 11時0分

近年、職場でのメンタルヘルス対策に注目が集まっています。その施策のひとつがBGMの活用でしょう。

株式会社USEN(以下、USEN)は、2013年2月よりオフィス向け音楽配信サービス「Sound Design for OFFICE」を提供し、“音”を通じて快適な職場環境づくりに貢献してきました。また、大学や研究者などと共同で“音の力”に関する学術的な研究・調査も実施しています。

そしてこのたび、トランスコスモス株式会社および大妻女子大学と共同で「BGMがコールセンターのオペレーターに与える効果」についての研究を実施。その結果を公開しています。

フロアや執務室内外でBGMを変える

同研究では、トランスコスモスのコールセンターに勤務するオペレーターをフロアごとの3群(A・B・C)に分け、各フロアの執務室とリフレッシュルーム・廊下とで異なるBGMを放送。

A群の執務室には鎮静的BGM、リフレッシュルーム・廊下には覚醒的BGMを、B群の執務室には覚醒的BGM、リフレッシュルーム・廊下には鎮静的BGMを、C群フロアは鎮静的BGMと覚醒的BGMのミックスを放送しました。

日程は、2021年1月18日~2月7日をプレ調査期間(観察期間1)、2月8日~3月7日を観察期間2、3月8日~4月4日を観察期間3として実施。観察期間が切り替わるタイミングで、「一時的気分尺度」「室内(フロア)の印象」「就業継続意思」「ワークエンゲージメント」といった項目を盛り込んだアンケートを行いました。

このアンケートの結果と、勤務日数や1時間当たりの平均処理件数(CPH)、オペレーターの感情といったデータを合わせてBGMの効果を検証しています。

BGMにはポジティブな効果が

研究の結果、A群において一時的気分尺度である「緊張」が観察期間全体を通して低下していることが判明。また、C群の女性に注目すると、観察期間1よりも2、3のほうがCPHが上がっていることがわかっています。

室内およびBGMの印象と、気分やパフォーマンスとの関連性については、A群・C群で「BGMが好きな程度が高いほど、怒りや抑うつが低く、ワークエンゲージメントが高い」という結果が出ました(A群では就業継続意思も高い)。また、A群・B群ともに「室内(自分の働いているフロア)の印象による影響が大きい」ということがわかっています。

この結果を受け、大妻女子大学の尾久裕紀教授らは「(BGMによるポジティブな効果が)女性の方が高いという結果は、相対的に女性の方が多い職場であるコールセンターにとって良い結果だと考えられる。一方で、男性オペレーターのワークエンゲージメントやポジティブ感情を高めるためにはどうしたらよいのかについて検討する必要があるだろう」とコメントしました。

さまざまな研究で最適なBGMを

USENは今回のような“音の力”に関する研究・調査を多数行っています。その結果は「音空間デザインラボ」のサイトにて閲覧可能です(今回の詳細も後日公開予定)。

「音空間デザインラボ」を見てみると、冷え性に対するBGM効果、禁煙を支援する音楽、仮眠のための音楽、購買意欲を高める音楽などさまざまなシーンと音楽との関連を研究し、結果を公開していました。

冒頭に記した通りUSENは、オフィス向けに「Sound Design for OFFICE」を提供中。流す音楽は「集中力向上」「リラックス」「リフレッシュ」「気づき」というカテゴリから選べるほか、メンタルケアやマスキングなどの効果・目的、会議室や休憩室などのシーンから選ぶことができます。なお、チャイム音や社内アナウンスも放送可能。

このようなサービスを通じて“音”で空間をデザインするUSEN。蓄積した研究・調査の結果をもとに、さらに最適なBGM提供を実現してくれることでしょう。

PR TIMES
「音空間デザインラボ」
「Sound Design for OFFICE」

(文・Higuchi)

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