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【コラム】最近耳にする「NFTゲーム」とは?これまでのゲームとの違いやリスクを解説

Techable / 2022年2月1日 19時0分

SNSやメディアで話題に挙がることが増えてきた「NFT」。海外での取り組みが先行している領域ですが、近年は国内でも取り扱いを始める企業が増えています。

そして、ゲームの領域においてもNFTが進出してきています。今回は、NFTとはなにか?からこれまでのゲームとの違いなどを交え、実際にサービス展開されているゲームを紹介します。

NFTとは?

NFTはNon-Fungible Tokenの略称で、「非代替性トークン」とも呼ばれています。「非代替性」とは、同じものとして他に代替ができないという意味です。たとえば、人気のカードゲームにおいて、価値をつけることが難しかったレアカードなどに価値をつけることができるようになります。

NFTの売買にはブロックチェーン技術が活用されており、発行したNFTに独自の識別子をつけることで、唯一性を証明することができます。中身が同じ商品であっても、識別子が異なる場合には別のNFTとなるため、売買される価格によって価値に差が生まれることもあります。

NFTゲームと従来のゲームとの違い

ゲームの世界では、NFTを導入することによって、ゲームのアイテムやキャラクターなどがプレイヤーの所有物になります。もちろん、所有物は売買可能です。先ほど例示したトレーディングカードのほかに、ゲーム内の土地、プレイヤーが作成したオリジナルスキンなどの創作物も対象として考えられます。

従来のゲームでは、プレイヤーが持っているアイテムやキャラクターは基本的に売買できませんし、アカウントの売買は利用規約で禁止されていることが一般的なので、この点が大きく異なります。

独自の市場と経済圏がある『クリプトスペルズ』

実際にNFTを導入しているゲームはすでにいくつか存在しており、日本国内でもプレイできるタイトルがあります。ここでは、『クリプトスペルズ』を紹介しましょう。

2019年6月にサービスが始まった『クリプトスペルズ』のゲームジャンルは、『シャドウバース』や『ハースストーン』などと同じ、デジタルトレーディングカードゲームです。現在、iOS版とAndroid版が提供されており、対応したスマホやタブレットがあれば無料で始めることができます。

プレイヤーはカードの売買ができるほか、独自の経済圏が生まれていて、「カード相場」もあります。そのため、いわゆるゲーマーだけではなく、投機目的のプレイヤーも存在します。

また、一般的なデジタルトレーディングカードゲームと異なるのが「発行上限」です。課金をしてガチャを回し、欲しいカードを引き当てるというのが一般的なゲームの流れで、カードそのものは有限ではなく無限に排出されますが、本作ではレアリティの高いカードの発行に上限があります。

これはカードの価値を担保するために意図的に行っていることで、最高レアリティの「リミテッドレジェンド」のカードは、わずか9枚のみ。ゲームジャンルこそデジタルトレーディングカードゲームではありますが、これまでのゲームとは異なる点が複数あります。

将来的に法規制の対象になる可能性あり

NFTゲームは、いいことばかりではありません。NFTを悪用したマネーロンダリングの問題が指摘されている側面もあります。NFTゲーム内で売買されるアイテムやキャラクターは、絶対的な価値をつけることが難しいので、恣意的に価値を大きくすることができます。こうした観点から、今後法規制の対象になることも頭に入れておいたほうがいいでしょう。

とはいえ、ゲームをプレイして稼げるとなると、腕が鳴るゲーマーもいることでしょう。現時点ではデジタルトレーディングカードが多い印象ですが、なかにはオープンワールド型RPGやMMORPGなどもすでにサービスインしています。

大手ゲームメーカーがNFTゲームへの参入を計画しているという話もあり、『アサシン クリード』などを手がけるUbisoftはかなり積極的な様子。2022年はNFTゲームの動向にも注目が集まりそうです。

(文・辻英之)

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