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AIが空港の手荷物保安検査を支援! 実証にJALが参画、検査の高度化・効率化へ

Techable / 2022年3月2日 14時0分

株式会社南紀白浜エアポート(以下、南紀白浜エアポート)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、「保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向けた実証実験」を2021年8月より実施しています。

当初の覚書では、検証期間は2022年3月末日までの予定でしたが、3月1日(火)より日本航空株式会社(以下、JAL)が同実験に参画。その期間を2023年3月末日まで延長する予定です。

南紀白浜空港で「ヒト+AI」が危険物検知

同実験は、南紀白浜空港において手荷物検査の高度化・効率化を支援するAIの実用化を目指すもの。手荷物検査場での検査員による目視とAIによる判定を組み合わせ、手荷物検査の安全性向上などを実現します。

核となるのは、日立ソリューションズの「X線検査判定支援ソフトウェア」。X線装置を使った荷物検査において、材料と形状の2要素から特徴を検出し、荷物が何であるかを視覚的に表示します。なお、モノが重なっていても判定可能です。

これにより、手荷物検査場でX線画像をAI解析し、検査員の判定と照らし合わせて最終的な判断をするという流れになります。同実験では、このシステムを活用することによる運用性および導入効果を検証中です。

JALの知見をAIが追加学習

そんな同実験にJALが参画。JALが提供する危険物の最新情報や他空港での知見をAIに追加学習させることで、さらなる精度向上を期待できるでしょう。

また、JALが提供する手荷物検査に関するノウハウを踏まえたソフトウェアのチューニングも実施するようです。

こうして、アップデートしたAIとソフトウェアによる自動検知状況(検知率・誤検知率)と、保安検査員の評価を確認。検査業務の高度化および検査時間の短縮化を図り、より安全・安心でストレスフリーな空の旅を実現していくといいます。

検知精度に加えて検査員のストレスも課題に

手荷物検査は、乗客や乗務員の安全確保に不可欠な業務ですが、検査員による「目視」での検知に頼らなければならないのが課題のひとつでした。

検知精度の問題もありますが、「危険物の見逃しは許されない」といった検査員のストレスも大きな課題だったようです。加えて、労働人口が減少するなか、熟練の検査員による検知ノウハウの継承は重要ながら容易ではないという課題も浮上。これらが、手荷物検査場の高度化・効率化が求められる大きな理由だといいます。

今後は他空港にも実証場所を拡充し、AIが学習する持込禁止物の仕様・形状の幅を広げるなど、より汎用性の高い技術を確立したいとのことです。

PR TIMES(1)(2)
「X線検査判定支援ソフトウェア」概要

(文・Higuchi)

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