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マンガ市場の継続的発展を支援。DNP、コミックの制作・流通を一貫して支援する新体制構築

Techable / 2022年3月14日 7時0分

大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、コミックを中心としたコンテンツの制作・加工・流通を一貫して支援する新体制「MANGA CREATIVE WORKS」を構築。マンガを核としたコンテンツ市場の継続的な発展を支援すべく、4月より本格展開していく構えです。

制作・加工・流通のプロセスを一元化

「MANGA CREATIVE WORKS」は、作品を創作・制作する“プリプロダクション”と、加工・変換などを行う“ポストプロダクション”を社内外のリソースを活用して効率化する体制。これを「コンテンツ・エコシステム」として運用し、効率的に収益を上げるコンテンツの流通販売、2次利用、生活者との接点づくりなど一貫したサービスを提供します。

具体的には、小説などのコミカライズ(漫画化)や作品の電子書籍化、縦スクロールマンガへの変換・制作、カラー化、多言語翻訳、動画・音声の作成といったコンテンツづくりを支援。このようなコンテンツづくりには、複数の制作会社へ向けた発注・作業指示などが必要ですが、同体制においてそのプロセスを一元化します。

同体制により、効率的な制作フローでコスト・負荷を軽減しつつ高品質なコンテンツを創出し、マンガコンテンツの多メディア展開を支援。そのなかで新しいIPの創出や国内外に向けた公式コンテンツの流通を促進するほか、海賊版の流出防止にもつなげていきたいとのことです。

背景に、市場拡大と人材不足

「MANGA CREATIVE WORKS」構築の背景には、電子と紙を合わせたコミック市場の拡大に伴う、ライツビジネス(権利売買)や国内コンテンツホルダーのグローバル進出の活性化が挙げられるでしょう。

マンガコンテンツを幅広く展開するにあたり、デジタル化や動画・音声の作成、多言語化といった情報加工、販売・流通の経路確保など多くの業務が発生します。しかし、国内のコンテンツ関連の人材は不足しているとか。

そこで新体制のもと原案入稿からアウトプットまでを一元化し、効率的な制作・加工・流通フローを確立しようというのです。また、各業務を受託する制作会社にとっても、個々の事業規模に応じた業務を受託することで安定的な仕事量を確保できるというメリットがあります。

現在、コンテンツ制作に関する10社のパートナーの参画が決定しており、22年度中に約35社との契約を目指しているとのことです。

マンガに特化したAI翻訳エンジンも開発

DNPはこれまでも、マンガコンテンツなどのグローバル展開を支援する取り組みを実施してきました。

2021年9月には、Mantra株式会社と共にマンガ特化型のAI翻訳エンジンを開発。翻訳会社によるテストでは、翻訳作業時間を30%以上削減すると評価されたAIです。

マンガの翻訳は話し言葉が多く、吹き出しごとに文章が途切れるため、AIでの翻訳が難しく主流は人による翻訳。DNPの独自システム「DNP マンガオンラインエディトリアルシステム MOES(以下、モエス)」は、翻訳版のマンガ制作に必要な翻訳・レタリング・校正・進捗管理などを行うクラウドシステムですが、翻訳文は翻訳者による手作業で行われていました。

そこで同AIを「モエス」に搭載し、翻訳版のマンガ制作の生産性向上に寄与しています。

PR TIMES(1)(2)

(文・Higuchi)

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