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伊藤忠ら、飲食店のAI需要予測から自動発注までを検証。対象食材の9割が適正量での発注に成功

Techable / 2022年3月24日 17時0分

株式会社Goals(以下、Goals)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)に委託した研究プロジェクトの一部に、伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)と共同で実施協力しました。

Goalsらは、店舗におけるAI需要予測・自動発注の実現を目指し、Goalsが提供する外食産業向けクラウドサービス「HANZO 自動発注」を用いて、2021年12月に実証実験を実施。対象食材の91.7%で発注業務を完全自動化することに成功しました。

人の判断を介さず、適正な食材の発注が可能に

今回の実証実験で使用したのは、外食産業に特化したAIエンジン搭載のクラウドサービス「HANZO 自動発注」。

Goalsが開発した同サービスは、過去の売上実績をAIが学習し、店舗ごとに天候や時期に応じた来客数と各メニューの注文数・売上を予測します。

この売上予測と、システム内で管理している各メニューに利用される食材分量表(レシピ)情報が合わさることで、食材別に使われる量が予測可能に。人の判断を介さずに適正な食材の発注を実現できるといいます。

そのほか、日々更新される取引先のマスタをAIが自動整理する点も魅力と言えるでしょう。全店舗の原価情報を、食材単位やメニュー単位などのさまざまな切り口でモニタリングできます。

AI技術によって適正量での完全自動発注が実現

実証実験前の2021年9月、株式会社ダンダダンが運営する「肉汁餃子のダンダダン」は全77店舗(当時時点、FC加盟店を除く)で「HANZO 自動発注」を導入。1店舗あたり最大で月間12.5時間の発注業務の時間削減を実現しました。

そんななか、2021年12月1日(水)〜12月17日(木)の期間、「肉汁餃子のダンダダン」(居酒屋店)の首都圏3店舗を対象に実施された今回の実証実験。

AI予測精度を向上させることで、人の判断を介さずに発注する「完全自動発注」の実現を試みました。

食材選定の際は、発注の傾向を分類し、全体の約58%が合致した不定期定量発注モデル(不定期で毎回必ず決まった数量を発注する方式)の食材を使用。

その結果、選出した食材のうち91.7%で、適正量での完全自動発注が実現しました。

食品ロス・労働生産性の改善が求められる外食領域

NEDOの委託のもと、産総研は「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」、「農作物におけるスマートフードチェーンの研究開発」におけるAI技術の有効性研究を実施。

その一部研究の実証を、エネルギー・化学品・食料などの分野において幅広いビジネスを展開する伊藤忠商事が受託することとなりました。

産総研と伊藤忠商事は、消費者行動データ(需要)を起点として情報流・物流・金流が相互に連携されるデマンドチェーンの構築を議論するなかで、食品ロスや労働生産性の改善が必要とされる外食領域を実証ターゲットのひとつに設定。

そして今回、「HANZO 自動発注」提供で稼働実績のあるGoalsが伊藤忠商事と共同で、外食領域におけるデマンドチェーン構築の基盤として、店舗でのAI需要予測・自動発注プラットフォームの構築・検証を実施する運びとなりました。

Goalsは今回の実証実験で、「お客様に対しこれまで以上の価値を提供できる手応えを感じました」とコメント。同社は今後、対象食材の拡大のため、機能のさらなる拡充に取り組んでいく方針です。

PR TIMES(1)(2)

HANZO

(文・Haruka Isobe)

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