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声から新型コロナの軽症・中等症Ⅰを高精度に判別。セルフチェックを可能にするアプリ開発へ

Techable / 2022年3月25日 11時0分

PST株式会社(以下、PST)と神奈川県立保健福祉大学は、音声病態分析技術を活用し、新型コロナウイルス感染症患者の音声から症状を分析する共同研究を実施中。その中間発表として、音声から重症度分類である「軽症」と「中等症Ⅰ」の高精度な判別に成功したと発表しました。

今後、より簡便なセルフスクリーニングを可能にするスマートフォンアプリなどの開発へ向け、研究を進めていく見通しです。

13種類の定型文と3種類の長母音

同研究では、PSTがデータ収集システムを構築し、神奈川県協力のもと宿泊療養者および自宅療養者(主に軽症者)に対して研究参加者を募集。結果、2021年6月14日~2022年1月25日の期間で112名が参加しました。

参加者は、13種類の定型文と3種類の長母音(あー・えー・うー)を読み上げ、症状などのアンケートを提出。このデータをもとに音声病態分析技術で「軽症」と「中等症Ⅰ」を判別しました。

結果、13種類の定型文では90.9%の高い判別精度を実現。さらに簡便な3種類の長母音でも74.2%という精度を実現しています。

簡便かつ高精度の判定を目指して研究開始

日本での感染者数が合計500万人を超えた新型コロナウイルス。変異株の出現などにより、診療・療養の指針も変化しています。オミクロン株の流行に際しては、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の重症度分類において「軽症」に分類される人の自宅療養が指針のひとつとなりました。

そのなかで、重症度分類において重要な指標となる酸素飽和度(SpO2)の計測器“パルスオキシメーター”が療養者すべてに行き渡らないという課題が。そこで簡便かつ高精度に重症度判定ができる技術の開発を目指して、同研究が始まりました。

そしてこのたび、音声とアンケートから高精度に重症度を判定できることを確認。今後は、同技術を実装したスマートフォンアプリなどの開発と普及、さまざまな事業体への技術提供を進めていくとのことです。

音声病態分析技術を活用したプロダクト

同研究に活用されている音声病態分析技術は、PSTのプロダクト「MIMOSYS」に用いられています。

「MIMOSYS」は、スマートフォンがあれば誰でも心の状態をモニタリングできるライフログ・アプリ。常に変化している心の状態を音声から把握できます。

注目したのは、声帯の不随意反応。声帯の緊張は自分で操作できないため、本人の心の状態を正確に把握できるようです。同アプリでは、心の状態を短期的な「元気圧」と長期的な「心の活量値」で測定し、心の現状と直近の傾向を可視化します。

またPSTは、声から病態を可視化する医師・医療従事者向けプロダクト「VOISFIA」も研究開発中です。

PR TIMES
PST株式会社

(文・Higuchi)

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