【コラム】6月からdポイントの仕組みが大刷新、回線契約より実利用に。ポイントの貯め方を解説
Techable / 2022年3月30日 10時0分
ドコモは、6月からdポイントの仕組みを大幅に改定します。
これまでのdポイントは、ドコモ回線を契約している長さと、貯めたポイントの数で決まる「ステージ制」を採用していましたが、5月末にステージ制を廃止し、新たに「ランク制」を導入します。
このランクに基づき、店頭などでdポイントを貯めた際の"倍率"が上がっていきます。現行のステージにはこうした仕組みがなく、新制度ではdポイントがより貯まりやすくなると言えるでしょう。
ステージ制からランク制に改定の中身を詳細にみていきましょう。現状では、「1stステージ」から「5thステージ」にあたる「プラチナステージ」まで、5段階にステージが分かれています。
「2ndステージ」には、ドコモ回線の継続利用期間が4年以上か、6カ月間に貯めたポイントが600ポイント以上で上がることが可能。ポイントを貯めていなくても、ドコモの回線を契約して長く使い続けていれば、自動的にステージが上がっていったというわけです。最高位のプラチナステージですら、1万ポイントの代わりに15年以上の契約で到達できます。
これに対し、6月から導入されるランク制では、「2つ星」に上がるのに3カ月で100ポイント、「3つ星」に上がるのに3ヶ月で600ポイント必要となります。最高位の「5つ星」には、5000ポイントで上がれる仕組みです。
3つ星までは上がりやすい判定のための月数が6カ月から3カ月に変わり、より変動がしやすくなったことに加え、ドコモ回線の継続利用期間の条件がなくなっているのが大きな違いと言えるでしょう。単に回線を契約しているだけではダメで、よりアクティブにdポイントを貯める必要がある仕組みに変わるということです。
ただし、現行の「2ndステージ」には6カ月で600ポイント、「3rdステージ」には6カ月で1800ポイント必要だったのに対し、ランク制では「2つ星」が3カ月で100ポイント、「3つ星」では3カ月で600ポイントと、1カ月あたりに必要なポイント数は少なくなっています。
「4つ星」や「5つ星」は「4thステージ」や「プラチナステージ」と必要なポイント数は同じですが、「2つ星」や「3つ星」には上がりやすくなったといえるかもしれません。
dポイントがどのぐらい貯まるのかは店舗によって異なりますが、200円で1ポイントが一般的。特定の店舗では100円で1ポイント貯めることもできます。
200円で1ポイントだとすると、「3rdステージ」に必要なポイントを貯めるのに必要な支払額は6カ月間で36万円にものぼります。1カ月あたり6万円です。これに対し、「3つ星」の場合は3カ月で12万円で済み、1カ月あたりの支払額は4万円。3つ星までなら、より少ない金額で上がることができ、現実的になったと言えるかもしれません。
特典刷新、使うほど貯めやすくランクに紐づく特典も刷新されました。現行のポイントプログラムではステージに応じたクーポンが配信されていましたが、6月に開始されるランク制では、dポイントを貯めた際に獲得できるポイント数がランクに応じて増える特典が用意されています。
「2つ星」では1.5倍、「3つ星」と「4つ星」では2倍、「5つ星」では2.5倍のポイントが付与されます。ポイントを貯めれば貯めるほど、さらにポイントが貯まりやすくなるのが新しいポイントプログラムの特徴。しっかり使っているユーザーにとっては、これまでよりポイントが付与されやすくなりました。
では、ドコモ回線を契約しているメリットがまったくなくなかったというと、必ずしもそうではありません。新しいポイントプログラムでは「長期利用ありがとう特典」として、誕生月にd払いで付与されるポイントが大幅に上がります。
例えば、「3つ星」でドコモの回線を3年以上利用している場合はプラス3%、6年以上でプラス8%、10年以上でプラス15%と、継続利用年数に応じて追加でもらえるポイントが上がっていきます。追加のポイントは契約している料金プランで異なり、データ容量が使い放題の「5Gギガホ プレミア」などで5000ポイント、段階制の「5Gギガライト」などで3000ポイントまでが上限になります。
回線契約の有無による不公平感を解消ドコモがポイントプログラムを刷新する背景には、ユーザーから「ポイントが貯まりにくい」という声が上がっていたことがあったといいます。現行のステージ制ではステージに応じた追加のポイントがなかったため、dポイントを貯めるためのモチベーションが弱くなっていたというのも理由の1つです。
一方で、回線契約の長さが影響するのは誕生月だけになりました。dポイントは回線契約なしで貯めることもできるため、回線契約の有無でステージが変わる不公平感は解消された格好です。「共通ポイント」としての性格をより色濃くしたのが新しいポイントプログラムと言えるでしょう。
元々ドコモは、dポイントの導入にあたり、事業基盤を回線契約からdアカウントの会員へと切り替えようとしていました。料金値下げなどで通信料収入が伸び悩むなか、モバイルの回線だけに頼らないビジネスモデルの構築は喫緊の課題と言えます。一方で、これまでのdポイントクラブは、回線契約のあるユーザーを手厚く優遇していたのも事実です。
6月の改定は、こうした理想と現実の乖離を埋める意味合いもありそうです。
(文・石野純也)
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