「飲酒運転撲滅プロジェクト」始動、AIで飲んだ酒の種類などを推測するシステム開発へ
Techable / 2022年4月4日 9時0分
株式会社レボーン(以下、レボーン)は、国立大学法人長崎大学(以下、長崎大学)、加賀電子株式会社、加賀ソルネット株式会社、三井住友海上火災保険株式会社と共同で「飲酒運転撲滅プロジェクト」を始動しました。
現行の吸気検査よりも高精度な飲酒運転検知システムの開発と実用化を目指します。
酒の種類判別と経過時間推測を可能に同プロジェクトでは、いろいろな酒のにおいデータを呼気から取得し、においがどのように変化していくかを知る時系列データを取得します。
そしてレボーンのAIを活用し、呼気に含まれるにおいから飲んだ酒の種類(ビール・焼酎・ウィスキーなど)を判別するとともに、飲酒後の経過時間までも推測できる技術を開発したいとのことです。
同プロジェクトで得られた結果をもとに、実用性を高めた小型センサーを開発予定。この小型センサーと現行のアルコール検知センサーを併用することで、より精度の高い飲酒運転検知システムの開発と実用化を目指します。
また、センサーなどを介してレボーンのクラウド上にリアルタイムで呼気データを送り、飲酒判定することも可能になるようです。
義務化されるアルコールチェック、冤罪をなくすために2022年4月より順次施行される改正道路交通法では、自動車を使用する事業所において安全運転管理者の選任と運転者の運転前後のアルコールチェックが義務化されます。また、10月からはアルコール検知器を用いて確認を行うことや常時有効に保持することが義務付けられます。
現行のアルコール検知センサーは、呼気に含まれる酸素量の変化を検知する「半導体式ガスセンサー」、呼気に含まれるアルコールの量を検知する「電気化学式(燃料電池式)センサー」を使用。これらのセンサーは、呼気に含まれる“アルコール量”を検知するもので酒であるかは判別していません。
つまり、食べ物や口腔ケア製品に含まれるアルコールでも検知するということです。これでは、運転者が飲酒しているかどうかを正確に判断することは難しいでしょう。そこで、現行の吸気検査よりも精緻な検査を可能とするシステムの開発が始まったというわけです。
レボーンと長崎大学の実証実験同プロジェクトは、レボーンと長崎大学が2021年10月に開始した実証実験に端を発しています。
同実験は、法医学における「におい」を科学的に分析するというもの。死因解明の判断要素のひとつである“遺体からのにおい”を科学的アプローチをもってデータ化することでエビデンスの正確性を高めることに加え、業務の簡素化を目指すものです。
同実験で活用されているのがレボーンのセンサー「Obre」。これは、静置モードと吸引モードという2つの測定方法で対象のにおいを瞬時に分析・データ化できるセンサーです。この「Obre」で遺体から発せられるにおいを測定しました(詳しくはこちら)。
PR TIMES(1)(2)
(文・Higuchi)
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