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【コラム】20GBで2080円の新プラン登場! 高品質と低価格を両立するNUROモバイルの挑戦

Techable / 2022年4月11日 17時0分

ソニーグループのMVNOであるNUROモバイルが、4月1日から新料金プランの「NEOプランLite」をスタートしました。

MVNOは“格安スマホ”という言葉に代表されるように、低価格、低容量のデータプランが得意分野ですが、NEOプランLiteのデータ容量はドコモのahamoなどと同じ20GB。ターゲットも近く、20代、30代のデジタルネイティブ世代を狙った料金プランです。

「NEOプラン」と「NEOプランLite」の違い

料金は2080円と、大手キャリアのオンライン専用料金プラン/ブランドに比べると割安に提供されています。Liteという名称からもわかるように、NEOプランLiteには上位プランが存在します。

それが、昨年11月に導入された「NEOプラン」。料金は2699円です。価格は大手キャリアとほぼ横並びですが、サービスで違いを出していました。

Twitter、Instagram、LINEなど、ターゲット層のユーザーがよく利用するSNSのデータ通信量を使用量にカウントしない、「NEOデータフリー」はその1つ。こうしたサービスは、一般的にゼロレーティングと呼ばれています。NUROモバイルは、このゼロレーティングをNEOプランのアップロードにも適用し、「あげ放題」というサービスも提供しています。

さらに、3カ月に1回、15GBの追加データ容量がもらえる「Gigaプラス」にも対応しています。このデータ容量は、有効期限が3カ月間で、1カ月に5GBずつ使ってもいいですし、最初の1カ月に15GBをすべて使うこともできます。Gigaプラスが付与されるのは契約から3カ月後ですが、以降は1カ月平均25GBプランになります。

4月に導入されたNEOプランLiteは、このような付加サービスがなく、シンプルな20GBプランに仕上げられています。ゼロレーティングの各種サービスや追加のデータ容量がないため、NEOプランよりトータルで利用できる通信量は少なくなりますが、価格は600円強、値下げしています。

NEOプランの付加サービスが不要な人が安く利用できるという意味では、より間口を広げたのがNEOプランLiteと言えるでしょう。

MVNOの通信品質の課題

一方で、MVNOの中で比べてみると、比較的標準的な価格設定であることが分かります。例えば、IIJmioのギガプランは20GBで2000円。mineoも20GBプランは2178円で、NEOプランLiteと大きな差はありません。

これに対し、NUROモバイルは“通信品質”の高さを売りにしています。同社は、NEOプランに「専用帯域」を設け、料金の安い低容量プランと別枠で運用することで、品質を向上させています。

MVNOは、大手キャリアから帯域単位で回線を借りています。具体的には、例えばドコモであれば、22年度は10Mbpsあたり約20万円という料金が設定されています。ユーザーがどの程度通信するかによりますが、多ければ多いほど、たくさんのユーザーを収容しても快適に通信できることになります。ただし、ユーザーのデータ利用は時間ごとに大きな波があります。

代表的なのが、サラリーマンがお昼休みを取り、一斉に自らのスマホでデータ通信を始める正午から午後1時の間です。この時間帯は、MVNOの契約者のかなりの数がデータ通信を利用するため、他の時間単に比べて極端に通信量が多くなります。ほかの時間との差があまりにも大きいため、この時間帯に合わせて帯域を借りると、コストが大幅に上がってしまうと言われています。

専用帯域を設けて安定した通信速度を実現

NUROモバイルは、NEOプランとNEOプランLiteだけを専用帯域として分けているため、他の料金プランを契約しているユーザーの影響を排除できます。そのため、相対的にユーザー数が少ないNEOプラン、NEOプランLiteは、通信が快適になりやすいと言えるでしょう。実際、専用帯域を導入することで、ピーク時でも通信速度は一定に保たれています。

以下は、NUROモバイルが第三者機関を使って計測した通信速度のグラフです。お昼休みの時間帯や帰宅後のデータ通信が増える夜でも、速度が安定していることが見て取れます。

料金を抑えたNEOプランLiteは、ゼロレーティングや追加データ容量といった特徴こそありませんが、専用帯域は共通。大手キャリアに近い品質を維持することで、大手キャリアとは価格で、他のMVNOとは通信品質で差別化を図っているというわけです。

大手キャリアに勝負を挑む

20GBの中容量プランの場合、契約するユーザーはデータ通信の利用頻度が高いため、通信品質を重要視する傾向が高くなります。NUROモバイルが中容量向けに料金プランを切り分けているのは、そのためです。こうした狙いがあたり、先に導入していたNEOプランは、ユーザーの満足度が非常に高い調査結果も出ています。

これまで、MVNOはどちらかと言えば低容量、低価格の料金プランを拡充することで大手キャリアと住み分けていましたが、NUROモバイルはある意味真逆の戦略で、大手キャリアに真っ向から勝負を挑んでいます。評判の高い通信品質を維持したまま、大手キャリアのオンライン専用プランより安価な料金で戦っていけるのかは注目しておきたいポイントと言えるでしょう。

(文・石野純也)

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