伊藤園と富士通、AI解析とスマホ画像による茶摘み時期の判断技術を試験運用
Techable / 2022年5月11日 10時0分
株式会社伊藤園(以下、伊藤園)と富士通株式会社(以下、富士通)は、AI画像解析を活用し、スマートフォンで撮影した茶葉(茶芽)の画像から最適な摘採時期を判断する技術を共同開発しました。
同技術は、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地(以下、契約産地)にて試験運用を開始します。
スマホ画像からアミノ酸量などを推定高品質な茶葉を生産するには、摘採時期の見極めが重要です。しかし、それには長年蓄積したノウハウもしくは手間のかかる専用機器が必要になるため、新規参入者などには難しいという課題がありました。
そこで両社は、富士通が有するAI機械学習と株式会社富士通鹿児島インフォネット(以下、富士通鹿児島インフォネット)の画像解析技術に、伊藤園の茶栽培に関する知見を組み合わせて同技術を開発。
スマートフォンで撮影した摘採前の茶葉画像からアミノ酸量・繊維量などを推定する画像認識アルゴリズムによって、茶葉の摘採時期を簡便に判断できるといいます。
画像解析技術で生成した約8500枚の画像をAI学習この画像認識アルゴリズム開発にあたり、契約産地の一部で撮影した約4000枚の茶葉画像を活用。これに富士通鹿児島インフォネットの画像解析技術で色味調整などを施して合計約8500枚の画像を生成し、AI機械学習を行ったとのことです。
同技術は、契約産地において今年の新茶摘採から試験運用を開始し、画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証。2023年の新茶摘採では本格展開を目指します。
今年2月、摘んだあとの茶葉の品質推定技術も開発今回紹介した技術は、茶葉の摘みどきを判定するものでしたが、伊藤園は摘んだあとの茶葉に一次加工を施した状態である“荒茶”の品質推定技術も開発しました。
これは、スマートフォンで撮影した荒茶画像をクラウド上でAI解析し、旨み成分(アミノ酸など)の状態を推定するというもの。開発には、マクタアメニティ株式会社の「おいしさ(味覚)解析システム」を活用しています。
同システムは、画像を光の三原色で分類し、各色の波長を記憶したAIで味覚情報と照合して“おいしさ”を解析するというものです。
この技術もまた、伊藤園が展開する茶産地育成事業の一部産地にて今春から試験運用が開始されます。
PR TIMES(1)(2)
株式会社伊藤園
マクタアメニティ株式会社
(文・Higuchi)
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