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【コラム】バルミューダのスマホ「BALMUDA Phone」、ソフトウエアのアプデで何が変わる?

Techable / 2022年5月17日 11時0分

バルミューダが初のスマホとして発売した「BALMUDA Phone」に、ソフトウェアの大幅なアップデートがかかります。新バージョンは「1.2」で、スペックに表れない使い勝手や見た目を大きく改善しているのが特徴。

OS自体はAndroid 11のままですが、こちらも夏にはアップデートがかかる予定です。

システムフォントを刷新、可読性を高める

見た目で分かる大きなアップデートが、システムフォントの刷新です。

元々、BALMUDA PhoneにはAndroid標準である「Noto Sans」と呼ばれるフォントが採用されていましたが、新バージョンからは、「AXIS Balmuda」が追加され、これが標準になります。システムフォントとして採用されるため、ブラウザ閲覧時の文章はもちろんのこと、特別な指定をしていないアプリ内の文字や、設定などのメニューにもこれが適用されます。

新旧のフォントを比較すると、AXIS Balmudaはやや書体自体が細くなり、スッキリとした印象を受けます。小さな文字や、画数の多い漢字などの可読性が上がる点は、コンパクトモデルとして開発されたBALMUDA Phoneに向いたフォントと言えるかもしれません。デザインやたたずまいといった部分を重視している端末だからこそ、フォントに対してこだわる姿勢は評価できます。

ちなみに、AXIS Balmudaは、AXISフォントと呼ばれるフォントをベースにしています。これは、アクシス社が刊行しているデザイン雑誌の『AXIS』が開発したフォント。ひらがなやアルファベットが混ざったときの可読性や、雑誌に使われている紙の白地に映えることを目的として開発されており、文章の読みやすさには定評があります。こうした可読性をアップデートしていくのは、バルミューダが“体験価値”を重視しているからだといいます。


応答速度改善やカメラのアップデートも

同様に、スペック自体が上がったわけではありませんが、タッチパネルの応答速度を改善。

ブラウジングの際などのスクロールに対して、画面の動きをしっかり追従させるような改善を加えたことで、動作がなめらかになりました。ディスプレイのリフレッシュレートを上げるといった、分かりやすいバージョンアップではありませんが、使い勝手を地味によくしていると言えるでしょう。

カメラに関しては、シャッターラグを減らして撮影がしやすくなったほか、アウトカメラとインカメラの切り替えボタンも採用しました。

元々のバージョンでは、切り替えが設定メニューの中にあったため、インカメラが呼び出しにくかったのが難点。その意味では、カメラのアップデートも体験価値を向上させる取り組みの1つと言えます。低照度での画質も向上させました。

ほかにも、壁紙を追加するなど、トータルで端末の体験価値が上がるようなアップデートを施しています。バルミューダのITプロダクツ本部、本部長の一之瀬春人氏によると、発売時点からすでに「100以上の項目を改善している」といいます。

投入当初は料理の写真が青っぽくなったり、技適の基準を満たしていないおそれがあったりと、不具合も話題になってしまいましたが、そのフェーズは終わり、徐々にプラスαのアップデートを加えているようです。

Android 12へのアップデートも予定

また、冒頭で述べたように、今後はAndroid 12へのアップデートも予定しています。一之瀬氏によると、「BALMUDA Phoneのい良さを生かしつつ、Android 12ならではのものを取り入れていきたい」といいます。

Android 12では、プライバシーに関する設定を一元管理するプライバシーダッシュボードが導入されたほか、表示中のアプリなどの画面をスクロールさせてスクリーンショットを取る機能や、端末の壁紙に合わせて一部のアイコンの色を自動で変える「Material You」が利用できます。こうした機能の一部が、BALMUDA Phoneでも利用可能になるのかもしれません。

バルミューダ、巻き返しを図れるか

鳴り物入りでスマホ市場に参入したバルミューダでしたが、その初号機であるBALMUDA Phoneへの反響は、必ずしもポジティブなものとは言えませんでした。

反響自体は大きく、知名度を一気に上げた一方で、スペックに対する価格の高さや、スマホ市場のトレンドと合致していなかったコンパクトなボディやデザインに対しては、大きな逆風が吹いていたのも事実です。筆者も、バルミューダの目指す体験価値がイマイチ伝わりづらかったことは、過去に指摘しています。

これに対し、バルミューダは3月にBALMUDA Phoneを値下げし、当初は10万4800円だった価格を7万8000円に改めています。また同時期に、BALMUDA Phoneの売りの1つであるスケジューラーをGoogle Playに公開。他社のAndroidスマホを利用するユーザーも、BALMUDA Phoneの目指す世界観の一部に触れられるようにするなど、市場の期待にフィットさせるような取り組みを継続しています。

ソフトウェアのアップデートも含め、こうした改善の数々は、将来投入されるであろう「BALMUDA Phone 2」の開発にも生きてくるはずです。話題性や知名度の高さの裏返しとして、嵐のような逆風が吹き荒れてしまった初代BALMUDA Phoneですが、地道なアップデートによってファンを増やせるかは注目しておきたいポイントと言えます。

(文・石野純也)

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