大量の学習データも複雑なデバイスも不要。工場向け画像認識ソフトウエアで現場作業平準化へ
Techable / 2022年7月12日 9時0分
人の手で組立・加工をおこなう工場現場では、作業員の熟練度や手技のレベルによって作業時間や作業手順にバラつきがあるといいます。
こうした課題を受け、東京大学・松尾豊教授の研究室メンバーを中心に設立されたスタートアップの株式会社Ollo(以下、Ollo)は、作業時間のばらつきやミスを発見し、作業効率のアップに貢献する画像認識ソフトウエア「Ollo Factory」を展開。
そして今回、第三者割当増資により、シリーズAラウンドで約2億円の資金調達を実施しました。
作業のミスや課題を可視化Ollo Factoryは、カメラ1つと小さなエッジデバイスのみで作業を高精度に解析する画像認識ソフトウエアです。
独自のOne-Shot学習技術により、通常分析の精度を上げるために必要とされる「大量の学習サンプル」を必要とせず、1サイクルのみの撮影で作業解析を開始できます。
要素作業(作業を分割したときの単位)の切れ目をツール上で入力すると、24時間、365日の作業をすべて同じ基準で自動的に計測。登録した標準作業の映像と実際の作業の映像の差分をリアルタイムに分析し、作業時間のばらつきや、手順飛ばしといったミスを可視化します。
これにより、作業効率のアップや現場の標準作業(人の動きを中心とした、効率的な作業)の定着が期待できるとのことです。
“カイゼン”が求められる製造業製造業では、人の手を用いた組立・加工が必要な部品や製品が多く存在しています。
しかし、人の手が必要な製品の製造プロセスにおいて、作業員の熟練度や手技のレベルによる作業時間や作業手順のバラつきが大きいという課題があるようです。
工場現場では、品質・生産性向上アプローチである「カイゼン活動」が求められているものの、高度な専門性が求められるカイゼン担当者を任される人材は限られており、カイゼン活動はいまだ、工場現場にて広く浸透していないといいます。
そんななか、OlloはOllo Factoryを開発。Ollo Factoryの活用により、作業のミスや課題を可視化し作業効率をアップするだけでなく、一部のカイゼン担当者に依存していたカイゼン業務を短期間で大量に実行できるようになりました。
Ollo Factoryの導入台数増加を目指して現在、約30以上(半数以上は海外工場)の作業現場にて活用されているOllo Factoryは、ほぼすべての現場にて、改善に必要な分析精度を短期間で達成しているようです。
今回、約2億円の資金調達を実施したOlloは「今後は、海外工場を中心に、Ollo Factoryの導入台数を増やしていき、多くの現場での生産性向上に貢献していければと考えております」と語っています。
PR TIMES
Ollo Factory
(文・Haruka Isobe)
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