家を買いたい街ランキング、今年も勝どきが1位。リモートワークの広がりで湘南エリアの順位上昇目立つ中で、順位アップ第1位はあの意外な街に...
Techable / 2023年3月1日 17時30分
家を買いたい街ランキング、今年も勝どきが1位。リモートワークの広がりで湘南エリアの順位上昇目立つ中で、順位アップ第1位はあの意外な街に...
不動産・住宅情報サービスの「LIFULL HOME’S」が『2023 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング』を発表しました。
LIFULL HOME’Sの住みたい街ランキングはアンケートではなく、実際の問合せ数から算出しており、ユーザーがリアルに「住もうとしている街」が見えるのが特徴です。
今回、ランキング結果からどのような世の中の動きが読み取れるのか住宅市場を分析するLIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗さんに解説してもらいました。
LIFULL HOME’Sの「住みたい街ランキング」の集計方法についてLIFULL HOME’Sの住みたい街ランキングは、買って住みたい街と借りて住みたい街をユーザーからの問い合わせの数をもとに集計したものです。実際にユーザーの皆さんが住みたい!と本気で探している街のランキングですから、今回から「みんなが探した!住みたい街ランキング」と名称を変更しました。
2022年1月~12月に、LIFULL HOME’Sに掲載された物件の中から、メールや電話、店舗訪問など、ユーザーからリアクションがあった物件を、最寄り駅ごとにカウントし集計しています。
首都圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県が対象地域で、買って住みたい街ランキングは、新築・中古マンション、新築・中古戸建に対する問い合わせ数をカウントしています。
「いま住むならどこに住みたいですか?」と聞くアンケート調査ではなく、実際に住むことを前提に、問い合わせしたユーザーの“総意”がこのランキングの結果に反映されています。
なお、対象になる駅は首都圏で1400を超えますので、ベスト100に入るだけでもたくさんのユーザーからの支持があることを意味しています。
「買って住みたい街」TOP10ベスト10には首都圏郊外の駅がずらりと並びました。コロナ禍で居住エリアが郊外化していること、都心近郊の住宅・マンション価格が高騰したため、購入のハードルが上がっていることなどが主な要因です。
JR山手線の新駅開業に伴って操車場の跡地が整備され、田町周辺で物件開発が一気に活性化したことにより、都心の田町が5位にランクインしました。
ベスト10上位には、神奈川県の中心部の湘南エリアから4位は茅ケ崎、3位は平塚、2位は横浜が並びました。平塚、茅ケ崎が進出したのは、多くの人々に手が届く価格帯で分譲されており、その価格訴求力や割安感が大きいことによります。
テレワークの定着によって、通勤や通学の移動に関する負担が軽減され、人々は希望居住エリアの条件を大きく変えました。交通利便性よりも生活利便性や周辺環境、居住性をより重視する傾向が強まったわけです。その象徴がこれら郊外の街であると言えます。
そして、今回も勝どきが4年連続の1位に輝きました。2019年の16位から2020年に一気に1位となり、以降、圧倒的な注目を集め続けています。五輪後もそのレガシーを含めて、販売される物件のグレードや価格、広さ、販売動向などがユーザーにとって高い関心事となり続けています。
都心に隣接しながら住戸が広いことも評価され、DINKs(Double Income No Kids:自らの意思で子どもを持たないと決め、共働きをしている夫婦のこと)だけでなくファミリー層からも高い支持を受けていることが不動の1位の要因です。
ランキング上位の位置関係と、順位の上下動を示したヒートマップを見ると、ランキング上位は郊外エリアが占めていて、ランキングの中位以下に都心・近郊が登場しており、買って住みたい街が首都圏の中では都心と郊外に二極化していることがわかります。
「買って住みたい街」急上昇ランキング今回は順位の急上昇も多く、TOP100に入った駅のうち前年から順位を上げた駅をランクアップの大きい順に並べました。
「買って住みたい」の急上昇TOP10は全て都内、それも都心に位置する駅ばかりでした。コロナ禍で需要が落ち込んだとされる都内各駅も、開発プロジェクトが始まったことで話題性が高まり、急激なランクアップに繋がっています。
特に1位の神保町は、10年以上物件開発がなかったことから、一気に1119ランクも上昇。利便性や資産性に優れる都心とその近郊の潜在的需要は依然として極めて高いと言えます。
まとめ今回のランキングでは、コロナの影響は薄れたものの、住宅価格の高騰とテレワークの継続によって郊外化がよりはっきりしました。
また、利便性や資産性に勝る高スペックな都心・近郊の駅も再開発によって順位を上げ、都心と郊外のベッドタウンが人気とニーズを分けあい二極化の様相も示しています。
LIFULL HOME’S公式サイトでは、首都圏版の他にも中部圏/近畿圏/九州圏版のTOP100を公開していますので、ぜひご確認ください。
<著者プロフィール>
中山登志朗
株式会社LIFULL
LIFULL HOME’S総研 チーフアナリスト
出版社を経て、1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。2014年9月にHOME'S総研副所長に就任。
不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事
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