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Industry Alphaと大洋紙業、倉庫における搬送・ピッキング・梱包を一括で自動化

Techable / 2023年3月24日 15時0分

工場・倉庫のスマート化事業を展開するIndustry Alpha株式会社(以下、Industry Alpha)は古紙のリサイクル事業を展開する大洋紙業株式会社(以下、大洋紙業)の物流倉庫における入荷から出荷までの物流ラインの自動化に関する取り組みを開始しました。

EC拡大と労働人口減で効率化が求められる物流

昨今、日本の製造・物流業界の要である倉庫は、EC市場の拡⼤や労働⼈⼝の減少に伴い、さらなる効率化が求められています。倉庫の自動化によって大幅な⼈件費の削減や⽣産効率の最⼤化が⾒込まれています。

倉庫の自動化には、ロボットやAIを導入するだけではなく、後の拡張性を考慮して倉庫全体の設計をすることが必要です。しかし、建設段階から物流ラインを描いた自動倉庫は、巨額な設備投資が必要となるため、一部の企業のみの導入にとどまっています。

多くの企業は既存の倉庫の自動化が求められていましたが、システムが合わない、市販の製品では対応できないなど自動化を断念するケースが頻発しています。

そのため、既存の倉庫を部分的に自動化してくことで倉庫の最適な運用を可能にするソリューションが求められていました。

こうした背景から、Industry Alphaと大洋紙業は物流倉庫を間借りし、倉庫内物流ラインの自動化に関する取り組みを開始しました。

今回の取り組みでは、巨額な資金投資を必要とする立体倉庫やセンターの建築を必要とせずとも、物流ラインにおける最適なマテリアルハンドリング機器の組み合わせを設計することで、従来の倉庫では人が担っていた作業をスマート化し、物流ラインの自動化を実現。

Industry Alphaは、省人化・効率化のプロフェッショナルとして、既存倉庫の自動化をサポートします。

従来の倉庫に自動化にあたっての課題

従来の倉庫における物流ラインではピッキングと搬送に多くの従業員の方の労力がかかっていました。

ピッキングは、倉庫運用コストの約50%を占めると言われています。作業員がリストを見ながら商品を探すことで倉庫内を何度も移動しており、ピッキング作業の改善は生産性向上を図る上で非常に重要な課題となっています。

また、搬送も人がハンドリフトで荷物を運搬する現場が多く、荷物をハンドリフトから落としてしまいトラブルになるケースもあります。

さらに、多くの梱包現場では、ラベルの貼り付けや段ボールの組み立てを作業員が担当しており​、次のような課題を抱えていました。

・人によってスピードに差が出てしまう

・商品の入れ間違いや同梱物の入れ忘れが発生している

・作業員の高齢化で梱包手順の教育コスト増加

こうした課題を受け、Industry Alphaは搬送・ピッキングの課題を、大洋紙業は梱包の課題に取り組み、業務の全体オペレーションが最適になるように解決案を設計しました。

ピッキングと搬送のシナジーを産むDX

Industry Alphaは、従来の倉庫の課題であったピッキング、搬送をそれぞれの工程とシナジーを生むようにDX化しました。

具体的には、ピッキングと搬送を同時に行えるピッキングアシストAGV(無人搬送車)を開発・導入しました。

ピッキングの際に荷物を載せる棚を、車体上部に搭載した最先端AGVとなっています。作業員がピッキングを行い、AGVに荷物を置くことでAGVが自動的に搬送を完了します。

これらピッキングアシストAGV6台を、入庫エリア横のピッキングエリアに導入し、ピッキングエリアの省人化を実現しました。

また、WMS(倉庫管理システム)のピッキングリストを、経路を考慮した最適な順番で並べ替える、順序最適化モジュールとピッキングアシストAGVを組み合わせることで、複数台のAGVの最適経路を自動で算出するシステムを実現。

これにより、人が行う作業は、AGVによるピッキング及び検品の作業のみとなります。

一方、梱包ラインにおいては自動製函機を導入し、段ボールの組み立てと梱包を自動化しました。

さらに、自動ラベル貼り付け機を導入することで、入庫から出庫までの一連の流れの中で、人が行う作業を積み下ろし、ピッキング、積み込みのみで完結するスマート倉庫へと変革しました。

自動化の前後における作業時間の違いは、以下のようになっています。

Before

・人のみのピッキング時間:50秒/ピック(大洋紙業物流受託業務実績による)

・人のみの梱包時間:60秒/件(実績値)

After

・人+ロボットのピッキング時間:30秒/ピック

・人+自動ライン時間:30秒/件

さらなるスマート化と無人倉庫の実現へ

Industry Alphaは今回の取組みを通じて、大規模な立体倉庫を導入せずとも、既存の倉庫のスマート化によって究極的な省人化・物流ラインの自動化を実現しました。

今後はさらに、スマート化によって庫内業務のデータ蓄積が可能になったことで、出荷頻度や出庫頻度のデータ分析から入庫、入荷の最適化が期待できます。

また、同社はロボットアームとAMR(自律走行搬送ロボット)を組み合わせることで、今回の取り組みにて人が行っている、積み下ろし、ピッキング、積み込みを自動化し、無人倉庫を実現するとのこと。

さらにロケーション管理を行うことで、出荷時にピッキングの効率がよくなる配置を算出するなど、さらなる省人化・スマート化を目指します。

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000107270.html

(文・Motohashi K.)

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