ロボットやドローンを使って農業を省力化!テムザックの「WORKROID農業」に注目
Techable / 2023年5月29日 12時0分
米は日本の数少ない食料自給品目ですが、農業従事者の最も多い割合を占めているのは高齢者で、農作業の担い手不足や高齢による作業の高難度化といった課題が生じています。
株式会社テムザック(以下、テムザック)は、このような問題を解決するためにロボットやドローンを使った農業ソリューションを開発している企業です。
今回テムザックは、雑草抑制&遠隔監視ロボット「雷鳥1号」の開発を発表。同社が宮崎県延岡市で行っている“WORKROID(ワークロイド)農業”に、同ロボットを投入したことを明らかにしました。
経験のない人でも取り組める省力化農業WORKROID農業は、テムザックが展開しているロボット技術を活かして実施する、農業経験のない人でも取り組める省力化農業です。
農業ワークロイド(雷鳥シリーズ)、ドローン、水管理システムなどを最大限活用し、省力化を追求しながら、米粉用の水稲直播栽培を実施します。
田んぼの雑草抑制・遠隔監視をロボットが担当「雷鳥1号」は、α版とβ版が製造されており、田んぼの雑草抑制・遠隔監視のほか、水田を複数台で撹拌するといった作業を担当します。
α版は自律航行型で、単純な動き(例:前進→右旋回→前進→左旋回)をランダムに行うようプログラミングされています。水を攪拌して泥を巻き上げることで光合成を妨ぎ、雑草の生育を抑える機能を備えています。複数台を同時に稼働することで効率的に隅々まで撹拌することが可能です。
β版は遠隔操作型で、離れた場所からカメラ映像を見ながら遠隔操作し、水田の様子を確認することができます。
いずれも太陽光発電のエネルギーで動作し、水田の規模の大小を問わず利用可能。小型・軽量のため、搬入出作業が容易なのも特徴です。
種籾を撒く作業には飛行ドローンを使用また、今回の「雷鳥1号」の導入と同時に、飛行ドローンによる播種作業や水管理システムの運用も開始されました。
種籾(たねもみ)を撒く作業に飛行ドローンを使用することで、育苗・田植え作業が不要となり、農作業を大幅に省力化できるとのこと。撒かれる種籾には、水中に沈降しやすくなるように鉄コーティングが施されており、直播でも育成が可能。
また、鉄コーティングによって種籾の表面が硬化することから、鳥に食べられることを防ぐ効果も期待できるそうです。
スマートフォンからデータチェックできる仕組みも導入さらに実証実験を行った水田(圃場)には、水位・水温、気温、湿度、風速、雨量などを自動測定できるセンサー類が導入されました。
各センサーから出力されたデータは、スマートフォンより確認可能。給水・止水が遠隔でできる仕組みも備えており、水管理に関する作業を省力化します。
収穫や土の準備も「雷鳥」シリーズが担当テムザックは今後、米粉用稲作から米粉の流通まで一気通貫で行える省力化農業を確立することを計画しています。
なお、WORKROID農業での耕起(土の準備)や稲の収穫については、「雷鳥2号改」と「雷鳥2号」がそれぞれの作業を担当する予定とのこと。
株式会社テムザック 代表・髙本 陽一氏のコメントスマート農業(=ロボット技術やICTを活用し、超省力・高品質生産を実現する新たな農業)が全国で進められていますが、その大半は既存の農業スキームのスマート化、収量最大化に重点が置かれているのに対し、“WORKROID農業”は、いかに手間をかけずに広範囲(耕作放棄地)で農作物を生産できるかに重点を置いて取り組みます。
国内の耕作放棄地は約42万ヘクタールあり、高齢化・労働力不足等に伴い年々増加を続けています。耕作放棄地となれば収穫量は「ゼロ」になりますが、省力化・低コスト化を徹底したワークロイド農業によって、従来の収穫量に対して7割でも確保できれば、意味のある事だと考えています。
日本の農業人口は、今後さらに高齢化することが見込まれています。多くの作業を省力化する「雷鳥」シリーズやWORKROID農業のようなソリューションは、今後さらに重要になっていくのではないでしょうか。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000029724.html
公式サイト:https://www.tmsuk.co.jp/
(文・S.Inosita)
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