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アフリカの物流変革、日系企業がDX支援。現地スタートアップが手掛ける先端システムにも注目

Techable / 2023年12月25日 10時0分

物流管理の領域は複雑性が高く、多くの課題が存在している。これらの課題は業務効率を悪化させることにつながり、事業の利益率にも影響を及ぼす。なかでも人材や燃料費などのコストマネジメントは物流業において最も重要ともいわれており、これらの非効率な管理は、事業基盤の脆弱化に繋がる。

アフリカ諸国をはじめとする新興国においては、このようなコアリソースのマネジメントにおいて効率性が乏しく、物流において改善の余地が大きいという。

物流のDXを促進する日系企業アンドアフリカでは、上記の課題解決を目指すソリューションとして、アフリカ諸国をはじめとする新興国に向けた物流SaaS「Logi-IQ」のベータ版の提供を11月24日より開始。ベータ版のサービスは無料で利用でき、正式版ローンチ予定前の2024年1月31日までの期間限定で展開予定。なおベータ版の無料提供は、正式版ローンチに向けた改善点収集を目的としているとのこと。

最適なルートを自動設定、配送工程のムダをなくす「Logi-IQ」

Logi-IQは、最適な物流ルートの自動設定を行うツール。配送タスクの優先順位やドライバーの空き状況・スケジュール、各種車両の収容能力、安全性などを考慮して、ルートが決定される。

配送工程における非効率をなくすことで費用対効果を向上させることに加え、物流状況を正確に制御することが目的だ。

管理者は、Logi-IQを使ってドライバーの空き状況・スケジュールと配送タスクを照合し、リソースの無駄や時間外労働を排除するかたちでドライバーを各配送タスクへ自動で割り当てることが可能。

ドライバー側は、自身のスマートフォン上のアプリにて自分がその日に完了させるべき配送タスク(一覧・詳細)および進むべきルートが確認できるため、安全運転や末端顧客のケアに集中することができる。

ドライバーはスマホのアプリ上で配送タスクのステータスを更新することができ、管理者はダッシュボードを通じてタスク完了状況を概要から詳細レベルまで確認可能。管理者とドライバーの双方において管理の負担が最小化される。

またLogi-IQでは、蓄積していくデータを分析し、期間ごと、ドライバーごとなどさまざまな切り口でのパフォーマンスを可視化する。ドライバー評価の合理性を向上し、事業の継続的な改善が期待できそうだ。

なお同社では、高額かつ導入体制の構築が必要なERPパッケージよりも、手軽なSaaSソリューションの導入が今後進んでいくものと予想。現地での活用に注目したい。

アフリカの物流を変革、現地スタートアップの挑戦

アフリカでは都市部の交通渋滞をはじめ、地方部における道路の悪条件、路面整備が十分でないといった課題がある。

こういった課題を背景に、現地ではスタートアップ企業が続々と挑戦を続けている。

たとえば、ルワンダのスタートアップZiplineは、自立型の電動ドローンを使って医療用品をはじめとした物資を家庭や病院、企業などへ届けるサービスを展開。

Ziplineは、道路事情に影響されない高度な自律型配送システムを構築。広いエリアをカバーする長距離配送用だけでなく、精密な位置へ届ける宅配用にも着手。同システムによる配達は、従来の自動車による配達に比べ7倍のスピードであるという。

もともと同社は、2016年にルワンダで血液と医療製品の配送を開始し、その後、食品や小売などに事業を拡大。現在では米国、ガーナ、ナイジェリア、コートジボワール、ケニア、日本など世界へ事業展開している。

また同システムは、ドローン技術により従来のデリバリーよりも97%少ない排出量で飛行する点も評価されており、信頼ある技術でありながら、ローコストで利用可能できるのも魅力だ。

アフリカ諸国の物流変革に、今後も注目が続きそうである。

(文・Tsunoda Maiko)

PR TIMES
Logi-IQ
Zipline

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