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マンハッタンの摩天楼を眺めながら遊泳!川に浮かぶ“ろ過設備併設型プール”が今夏登場

Techable / 2024年1月29日 18時0分

都市部を流れる川で、快適に泳げるような水質を保っているところはそう多くはないだろう。生活排水が流れ込み、ゴミが漂い、臭いもする。“都市部の川”というと、そんな敬遠されるような川をイメージする人も少なくないのではないだろうか。

都市部を流れる川を、人々が集い、しかも安心して泳げるような場所にしたい-。そうした理想を掲げて米ニューヨークのデザイナーのグループが取り組んできたプロジェクトが今夏、現実のものとなりそうだ。米ニューヨーク・マンハッタン島の横を流れるイーストリバーに、浄化した川の水を使うプール「+POOL」がお目見えする。

川面に浮かぶ構造、最大収容人数は300人

+POOLは名称にあるとおり、十字型のプールで、川面に浮かぶ構造。通路などを除いた遊泳可能な部分の総面積は約880平方メートルで、最大収容人数は300人となかなかの規模だ。

プールは最も長い部分で約50メートルあり、真剣に泳ぐ人のための直線コース(4レーン)を設けることもできれば、キッズエリアやフローティングゾーンなど目的別の区画を設けて使用することもできる。

特許済みのろ過システムで川の水を浄化して使用

斬新なのは川にプールを浮かべるというデザインだけではない。プールに使用する水を川から取水するというのがこのプロジェクトの肝でもある。プールの容量は約110万リットルもあるが、全て浄化した川の水を使う。

もちろん川の水はそのままでは使用に適さないため、+POOLは3層から成るモジュール式のろ過設備を備えている。特殊な布材のジオテキスタイルをプレス加工したモジュールを通すことで、川の水からバクテリアなど有害な物質などを取り除く仕組み。化学物質などは使用していないこのろ過システムは、すでに特許を取得しているとのことだ。

5月に無料開放

+POOLプロジェクトはもともと、川を親しみやすいものにしたいという願いを持ったデザイナー4人のグループが、2010年に立ち上げたもの。以降、クラウドファンディングサイトKickstarterなどで研究・開発資金を賄い、2014年には造船技師やろ過システムの専門家、コロンビア大学の科学者らも参画。翌年、非営利団体を設立し、現在に至る。

そしてこのほど同プロジェクトにニューヨーク州から1200万ドル(約17億円)、ニューヨーク市から400万ドル(約6億円)の予算がつき、実際にプールを建設して今夏イーストリバーに浮かべることになった。

計画では、+POOLは5月にも市民へ無料開放されることになっている。構想通りのものとなれば、摩天楼を眺めながら川の上で泳ぐことができるという、ニューヨークの新たな名所となるかもしれない。

+POOLプロジェクト

(文・Mizoguchi)

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