TCL RayNeoからAI搭載スマートグラス「RayNeo X2」登場、AI×ARの世界を実現
Techable / 2024年4月30日 16時0分
急速に市場拡大を続けるスマートグラス分野で、AI搭載製品が次々と登場している。2024年2月にはシンガポールのBrilliant LabsがマルチモーダルAIアシスタント搭載の「Frame」発売を発表。また、4月下旬には機能追加により「Ray-Ban|Meta Smart Glasses」がマルチモーダルAIグラスに進化するとMetaが発表している。
中国大手のTCL RayNeoが1月開催のCES 2024にて発表したAI搭載スマートグラス「RayNeo X2」は現在、クラウドファンディングサイトIndieGoGoにてプロジェクトを実施。700人超の支援者から8000万円近い資金を集めた。
同社からは76グラムの軽量かつ高映像クオリティを実現した「RayNeo Air 2」が2月に発売されたばかりだが、最新フラッグシップモデルである「RayNeo X2」の最大の特徴は、AIを搭載した点だろう。
翻訳やナビなど便利な機能が満載AIアシスタントや顔追跡翻訳機能に一人称視点での動画・写真撮影機能、3DoFナビゲーションなどにより、ユーザーの日常とARをシームレスに統合する「RayNeo X2」。CESでも視覚的なパフォーマンスと高度なAl機能が高く評価された。マルチモーダルLLMとGPT with Visionの技術を搭載した同製品により、AIアバターとコミュニケーションできる“AI+AR”の世界を体感できるという。
顔追跡機能を備えたリアルタイム多言語翻訳ツールとして、海外旅行はもちろんビジネスや教育現場、外国映画の鑑賞といった場面で活躍する。クリアなサウンドで日本語を含む8か国語の翻訳が可能で、相手とアイコンタクトを取りながら自然な会話ができる。
また、X2に目的地を指定するだけでナビゲーションシステムによって直接視界に3Dルートが表示されるため、何度もスマホを取り出す・ロック解除・地図を確認といった手間が省ける。100か国以上の地図が網羅されているため、旅行先でもハンズフリーの快適な移動が可能だ。
また、スマホであれば逃していたかもしれない突然のシャッターチャンスでも、FPV(一人称視点)のスマートグラスなら逃さず撮影。画面がオフの時でもテンプル(眼鏡のつる部分)をスライドさせれば、手ぶれ補正機能付き1600万画素の高精細カメラが鮮明な画像を素早く撮影する。
さらに、視覚ガイドで楽器を練習できるRayNeo Ethereal Drum、ARボウリングやGluttonous Snakeといった没入型エンターテイメントを楽しめるゲーム機能も備わっている。
高輝度・コントラストのクリアな視界と高い操作性ARメガネをかけると視界が薄暗くなりそう…といった懸念も払拭。屋内でも屋外でも天候に左右されることなく、あらゆるシーンで最大1500nits輝度のクリアな視界がたのしめる。
双眼フルカラーMicroLEDと回折光導波路ディスプレイによって高い視覚パフォーマンスを誇る「RayNeo Air 2」。MicroLED技術によって標準的なOLEDディスプレイよりも高い輝度・コントラストおよび長寿命を実現、回折光導波路が透過率を高め、消費電力を削減する。
Snapdragon XR2チップ搭載で優れたパフォーマンスを発揮。電力効率とSLAMアルゴリズムによりコンピューティング能力を強化し、スムーズなグラフィックとバッテリー寿命の延長を実現した。
操作手段はテンプルコントロール、ボイスコマンド、RayNeoリングコントロールの3種類に加え、公式アプリも。日々のタスクからタスクへと効率的でシームレスな移行が可能となっている。
スマートグラス市場は今後も2桁成長予測TCL RayNeoは、TCL Electronicsが2021年に立ち上げたブランド。消費者向けARハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションを開発。光学、ディスプレイ、アルゴリズム、デバイス製造によるAR技術の研究開発に特化している。
同社は世界初とされるフルカラーマイクロLED光導波路ARグラスを開発。「NXTWEAR AIR」ではIDGの「最も革新的な製品」を受賞したほか、映画のようなオーディオビジュアル体験を実現した消費者向けXRウェアラブルグラス「NXTWEAR S」も発表している。
同ブランドを運営するTCL ElectronicsはTCLグループの1社で、国際的にも急速に成長している家電企業にして世界有数のテレビおよびモバイル機器メーカーである。TCLは40年にわたり世界各地で独自の製造および研究開発センターを運営、160か国以上で製品を販売している。
TCLのほかにもLenovoやGoertek、XREAL、Rokid、Miezuなど中国企業が名を連ねる大手スマートグラスメーカー。世界のスマートグラス市場はGrand View Research社の報告によると2023年に65億9000万米ドルと推定されており、2030年までCAGR約10%で成長を続ける予測だ。
引用元:
IndieGoGo
TCL RayNeo
(文・根岸志乃)
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