ウガンダのアグリレンディングEmata、組合と協力して小規模農家に低金利融資
Techable / 2024年6月15日 12時0分
農業セクターの金融アクセス改善を目指す取り組みが世界的に行われている。
2023年3月、JICAがインダスインド銀行との融資契約を調印。農業従事者の金融アクセス改善および農業の生産性向上促進を目指すとした。また、同年6月にはブラジル政府が小規模生産者ほど好条件で融資が受けられる「2023/2024年農業計画」を発表している。
農業を基幹産業とするアフリカのウガンダでは、スタートアップEmataがアグリレンディング(agri-lending)ソリューションを展開、各地の組合や農協と連携して各農家の信用情報を組み立て、素早い融資を実現している。
農家向けのレンディングサービスといえば農家への直接融資というイメージがあるが、Emataはなぜ組合を通しているのだろうか?
農業組合のDXを支援、AI分析で信用スコアを算出最近では信用スコアという形で可視化・数値化するオンライン金融アプリが続々登場しているが、Emataの提供するサービスは若干方向性が異なるようだ。
農業組合のDXに協力し、組合員である農家の情報管理体制を確立する。そのデータをもとにAIを活用して信用スコアを算出、迅速に融資を行うという流れである。
まずウガンダ全国の農業組合に自社のMIS (情報管理システム)を無料で提供し、収穫や出荷、配送の記録などをデジタル化する。組合業務はDXが進んでいないことが多いため、Emataが支援するのだ。
組合は、納品の登録や価格の更新、支払いスケジュールの作成などの業務をデジタルで行い、最新データを毎日SMSで組合員に共有。Emataは組合の持つデータと高度なリスク分析を組み合わせて、融資を希望する農家(組合員)の信用スコアを算出。確実に返済できるようにカスタマイズされたローンを提供する。
農家にも組合にも大きなメリット農家はWhatsAppを使用して簡単に申し込みが可能で、植え付け・除草などコストが発生する時期など、必要なときにすぐリーズナブルな金利で融資が受けられる。返済は農家が収穫物を組合に売却することで行う。
なお、金利は従来型のオンライン金融の約5分の1に抑えているという。融資の迅速さと引き換えに搾取するかのような高金利を設定する業者も少なくない中、Emataは「早さ」と「安さ」を両立している貴重な存在だ。
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