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スマートホスピタリティ分野のQstay、宿泊客の満足度&宿泊施設の収益を向上

Techable / 2024年6月18日 12時0分

ホスピタリティ市場は堅調な推移が見込まれている。The Business Research Companyの調査では、2023年に4兆6736億ドルだった市場規模が2024年には4兆9937億ドルと5兆ドルに迫る見込みだ。さらに2028年まで年平均5.5%で成長し、同年に6兆ドルを超えるとしている。

特に、「スマートホスピタリティ」の世界市場規模は今後2031年まで26.3%という高い成長率が見込まれる分野(DATA BRIDGE調査)。そこで投資物件のオーナーと宿泊客をつなぐプラットフォームを展開するのが、UAEのQstayというスタートアップだ。宿泊客の満足度と宿泊施設の収益を同時に向上させるという。

宿泊客にも不動産オーナーにも大きなメリット

一見すればAirbnbのようなサービスだが、同社の公式サイトに掲載されている宿泊施設は高級感漂うものばかりだ。実際に高級ホテルのようなサービスとアメニティ提供に重点を置いているという。

同社は「ホスピタリティ業界に革命を起こす」こと、「物件の購入・管理・活用方法に変革をもたらす」ことをミッションに掲げているが、この革命は主にテクノロジーの活用によってもたらされている。

キーレスエントリーやAIを活用したカスタマーサービスを導入。宿泊施設で冷暖房や換気をインターネット経由で管理するシステム(スマートHVAC機器)も備え、宿泊客が快適に過ごせる環境を整えている。

さらに、最大で50%の運営コストカットを実現。テクノロジーの恩恵は、宿泊客だけでなく、施設側にももたらされているのだ。

不動産投資家向けには、物件を購入する際に価格・ROI・立地といった観点から分析するサービスを手掛けるほか、既存の物件のROI算出にも対応。さらに、宿泊施設の運営をまるごと引き受けることで利便性を高めている。

資金調達に成功、今後の成長にも期待

自社の掲げるミッションを着実に実現してきたQstay。2024年6月現在、4ヵ国で300以上の物件を管理している。創業以来、宿泊客数は6万人を超え、累計で13万泊以上も利用されてきた。

宿泊客の満足度も高い。同社の運営する物件はAirbnbやBooking.comでも予約が可能で、両プラットフォームで高く評価されている。Airbnbでの平均レビュー4.9(5点満点)を誇り、Booking.comでも「年間Traveller Review Awards」を受賞しているのだ。

Qstayは、2020年10月にUAEのドバイで設立された。同社サイトには共同創業者としてArtur Khayrullin氏とAlec Redelman氏の名が掲載されている。

Qstayは投資家の注目も集め、2024年6月にはプレシリーズAラウンドで460万ドルの資金調達に成功。累計での調達額は1110万ドルに達している。

Artur氏は資金調達について「弊社のテクノロジー中心の宿泊体験と、不動産オーナーに提供する経済的メリットに対して、力強い需要があることを証明している」とコメント。Alec氏も「宿泊体験を再定義し、不動産オーナーのリターンを最大化する当社のビジョンに対する力強い支持だ」と付け加えている。

業績も順調に伸びている。コロナ禍の真っただ中(2020年10月)の創業ながら、2022年第4四半期には黒字に転じている。2022年から2023年にかけて倍増した売上は2025年には6300万ドルに達し、同年の税引き前利益率は18%を見込む。

さらなる成長を目指し、2024年から2026年にかけて事業エリアを拡大するとしている。テクノロジーで宿泊客の満足度を向上させ、不動産オーナーにもメリットを提供し続けてきたQstay。今後どこまで成長するのか、注目したい。

参考・引用元:
Qstay
PressRelease
NewsWire
LinkedIn

(文・里しんご)

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