世界的アナログレコード人気続く、ワイヤレス&ポータブルプレーヤーも登場
Techable / 2024年6月18日 20時0分
音楽をはじめ、コンテンツをすっかりデータで楽しむものになった時代に、アナログレコード市場の成長が続いている。
日本では2023年にアナログレコードの生産実績が金額にして62億6700万円を記録。1989年以来34年ぶりに60億円を超えた(日本レコード協会発表)。ブームは日本だけではない。Business Research Insightsによると、2021年に2億3940万米ドルだったレコードの世界市場規模は今後CAGR15%で成長を続け、2031年には10億米ドル近くまで成長するとの予想だ。
レコード人気を裏付けるガジェットがクラファンで注目そんな世界的なアナログレコード人気を背景に誕生したのが、超軽量ポータブルレコードプレーヤー「VIBESPIN」。クラウドファンディングサイトKickstarterにてプロジェクトを実施中だ。
本体サイズ幅28センチ×奥行き11センチ×高さ5センチ、746グラムという小型&軽量を実現。バッテリーとスピーカー内蔵で、外出先で気軽にレコードを楽しめるというものだ。針は日本の中電社製のカートリッジを採用。レトロで可愛いデザインと、約1万6000円からという手頃な価格も人気の理由といえそうだ。
「人生でずっとアナログレコードとレコードプレイヤーを収集してきた」という開発者だが、コメント欄には長年のレコードマニアと見られる層による「レコードブームに便乗しているだけ」といった厳しい意見が。
とはいえプロジェクトは残り約30日の時点ですでに目標金額を達成、Kickstarter公式のお気に入りプロジェクトにも選ばれている。マニアからではなく、ブームをきっかけにレコードを聴き始めたライト層に支持されているのかもしれない。
冒頭でも触れたとおり、日本のアナログレコード市場は数十年ぶりの伸びを見せている。日本レコード協会の発表によると、アナログレコードの2023年生産実績は数量で前年比126%の269万1000枚。金額では前年比145%の62億6700万円とななった。
なぜ今アナログレコードなのだろうか? 新型コロナウイルス流行期の「おうち時間」をきっかけに、Z世代の若者がアナログレコードの「良さ」に気が付いたとされている。「ジャケットがカッコイイ」と、インテリアの一部としてレコードを買い求める若者も多いそうだ。
2023昨年12月には東京・渋谷のスクランブル交差点に面するショッピングモールMAGNET by SHIBUYA 109に中古レコードショップ「RECOfan」がオープン。在庫数2万5000枚という同店舗に限らず、若い人の来店が増えているとのこと。
同じく渋谷のタワーレコード渋谷店は、2024年2月末のリニューアルオープンでアナログレコード専門店TOWER VINYL SHIBUYAを大幅拡大。フロア面積は約2倍、在庫も3万枚以上増えて合計で10万枚を超える品揃えとなった。
デジタル時代にこそ光るアナログの魅力1982年のCD誕生以降、80年代のピークから生産が激減したアナログレコード。音楽愛好家や音にこだわる層に支えられてきた。DJやコレクターにとっては貴重な財産であり、ライブやレコーディング、DJセットなどに頻繁に使用されている。
2007年には「レコード・ストア・デイ」というイベントがアメリカで誕生。毎年4月の第3土曜日と11月のブラックフライデーに開催され、イベント参加店舗でだけ特別生産レコードが販売される。2015年には日本でもレコードメーカーの東洋化成が11月3日の「レコードの日」にイベントを開始。2016年にはレコード製造販売プラットフォーム「QRATES」にて卸販売システム「Store Delivery」が始まり話題になった(同サービスは現在リンク切れ)。
上のグラフからもわかるとおり、2010年に底をうった後はレコードの売り上げは少しずつ回復していた。また、ブーム前のパンデミック当初に一旦は減少している。多くのレコード店が閉店を余儀なくされるなどしたほか、製造や流通にも影響が出たとされる。
その後の人気は上述のとおりだ。目の前のフィジカルな「盤」から生み出される音の豊かさや深み、美しいジャケット、ターンテーブルでレコードを回す独特の感覚に、多くの人が惹き寄せられている。一過性のブームに終わらず、今後も成長が続きそうだ。
引用元:
Kickstarter
2023年音楽ソフト年間生産実績(一般社団法人日本レコード協会)
(文・根岸志乃)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
世界の7割以上を生産販売する「真珠の村」山下湖鎮―中国
Record China / 2024年11月22日 19時30分
-
「極悪女王」ブームで全女レスラーがリリースした楽曲も再脚光「悪役レスラー系のレコードは高額で…」
集英社オンライン / 2024年11月20日 17時30分
-
圧倒的強度で、ガタつき知らず!DJテーブルの新定番!長谷川工業がOTAIRECORDとコラボしたポータブルDJテーブル「DJH-100」を12月3日(火)に発売!
@Press / 2024年11月20日 10時0分
-
「SEVENTEEN」、日本レコード協会ゴールドディスクで17番目のプラチナ認定
Wow!Korea / 2024年11月8日 16時42分
-
矢野顕子と手嶌 葵の名盤が『レコードの日2024』に生産限定アナログレコード(LP盤)で発売!
ガジェット通信 / 2024年11月5日 10時0分
ランキング
-
1【独自】船井電機前社長『不正を働いたことはない』 “破産の申し立て”は報道で知る「本当に驚いた。なんでこんなことに…」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時20分
-
2物価高に対応、能登復興支援=39兆円規模、「103万円」見直しも―石破首相「高付加価値を創出」・経済対策決定
時事通信 / 2024年11月22日 19時47分
-
3スシロー「パペットスンスン」コラボに言及「追加販売を検討」 発売当日に一部完売したグッズも
ORICON NEWS / 2024年11月22日 17時45分
-
4三菱UFJ銀行の貸金庫から十数億円抜き取り、管理職だった行員を懲戒解雇…60人分の資産から
読売新聞 / 2024年11月22日 21時35分
-
5ファミマ、プラ製スプーン「有料化」の実験結果を発表 大手コンビニで初、どうなった?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 12時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください