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GreenPowerの電動冷蔵冷凍トラック「EV Star REEFERX」はマルチ温度管理に対応

Techable / 2024年6月18日 13時0分

温度管理が欠かせない商品の輸送もエコに──。産業界で二酸化炭素(CO2)排出を抑制する取り組みが広がる中、電動のスクールバスやトラックなどを展開するGreenPowerはこのほど、新型の冷蔵冷凍トラック「EV Star REEFERX」を発表した。

搭載するバッテリーの電気で走行し、かつ貨物スペースの温度管理も行う、ミッドマイル・ラストマイル配達向けの「オール電化」トラックだ。温度設定が異なる複数のゾーンを設けられるほか、車体側面にドアを追加できるなど、用途に合わせてカスタマイズ可能なのがセールスポイントだ。

食品や医薬品などの輸送に

GreenPowerはカナダ西部バンクーバーで創業され、主要な生産施設は米カリフォルニア州に置いている電動車両専門のメーカー。2015年にトロント証券取引所に上場し、2020年には米ナスダックでも株式を公開した。

GreenPowerは北米で使用されている黄色い車体がトレードマークのスクールバスの電動版だけでなく、一般客用のバスも展開しており、併せて貨物用の車両も手がけている。

商業用車両としては、同じシャーシを用いるEV Starシリーズを展開。輸送用のバンなどさまざな車両があり、今回のREEFERXもそのシリーズの一つとなる。

REEFERXは貨物車両ラインナップの温度管理ができるタイプだ。すでに同シリーズでは冷蔵タイプとしてトラックとバンを展開しているが、REEFERXでは貨物スペースを複数のゾーンに区切ってゾーンごとに温度を設定することが可能。冷蔵だけでなく冷凍もできるため、食品や生花、医薬品など保管温度が異なる商品を一度に運搬するのに役立つ。

街中での商品配達に

REEFERXは多くの荷物を一度に遠くまで運ぶためのものではなく、市場から店舗に食品を運ぶなど近距離走行を想定している。最大積載量は約2500キロ。

走行と貨物スペースの温度管理に使う電気を供給するバッテリーは車両下部に搭載されている。充電容量は118kWhで、温度管理をしながらの最大航続距離は約240キロメートルと、街中を回る商品配達トラックなどにうってつけだろう。

また、ニーズに合わせて設計をカスタマイズできるようになっており、断熱材の厚さを変えられるほか、後部ドアをロールアップ式にしたり、側面に追加のドアを設けたりすることも可能とのこと。

右肩上がりの市場

GreenPowerによると、北米では連邦・州政府の規制により車両の電動化が進んでいる。冷蔵冷凍車両の世界の市場規模は2023年に98億ドル(約1兆5400億円)に達し、2032年までにおおよそ1.5倍の154億ドル(約2兆4200億円)に成長することが見込まれているという。eコマースや食料品配達の浸透が後押ししている。

運送部門では世界中で脱炭素の取り組みが進む。その一方で商品の厳格な品質管理はこれまで以上に求められており、持続可能なサプライチェーンの構築に役立つREEFERXに対する需要は大きそうだ。

※EV Star REEFERXの「X」の正しい表記は上付き文字

参考・引用元:
GreenPower
PR Newswire

(文・Mizoguchi)

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