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有名人のディープフェイクやなりすましアカウントを検出・削除するAIプラットフォーム「Loti」|シード追加投資を発表

Techable / 2024年10月4日 16時0分

AIの台頭に伴い、ディープフェイク画像・動画やそのほか無許可コンテンツが世界中で問題となっている近年。今年7月には、X(旧Twitter)オーナーであるイーロン・マスク氏が、カマラ・ハリス米国副大統領のディープフェイク動画を拡散し、大きな波紋を呼んだ。

さらに、韓国ではディープフェイク・ポルノが急増しており、K-POPアイドルや人気女優、一般の多くの女性が被害を受けている。

そんななか、ディープフェイクやなりすましの検出を専門とする米国スタートアップのLoti AIは、デジタル肖像権の保護プラットフォーム「Loti」を提供。

同プラットフォームは高度なAIを活用して、ディープフェイクやSNS上のなりすまし、リークなど有名人の肖像を扱った無許可コンテンツを検出・削除するというもの。ブランドや評判を傷つけ、破壊する可能性のある誤解を招く画像、動画、音声からクライアントを守る。

AIを活用して不正な肖像を特定し、自動で削除

Lotiはアーティスト、アスリート、経営者、クリエイターをディープフェイクやなりすましの脅威から守るAIプラットフォーム。YouTube、Instagram、TikTok、Reddit、Xなどの主要SNSをはじめ、パブリックネットワーク、アダルトサイトにて毎日4億5,000万以上のデジタル資産をスキャンしている。

さらに高度なAIを活用して不正な肖像を特定し、ルールベースの削除エンジンで自動的に修正。現在、Lotiの自動削除機能は17時間以内に95%の成功率を達成している。

なおLotiはバックグラウンドで継続的に動作し、ディープフェイクであれ、改ざんであれ、無許諾使用であれ、無許可コンテンツを可能な限り迅速に発見・特定し、削除することが可能。

これにより、急速に進化するデジタル環境において、クリエイターやブランドの継続的な保護を保証するとともに、迅速な対応と包括的なカバレッジを世界中に提供するという。

エンタメ業界で注目集まる“デジタル肖像権”

Lotiはタレント本人を肖像の悪用から守るだけでなく、スタジオやレーベルがタレントの肖像権を確実に保護し、デジタル肖像権の契約を増やすといったメリットもある。

デジタル肖像権は、以前から米国をはじめ世界で注目されていたトピックだ。去年には、ハリウッド俳優らが所属する労働組合SAG-AFTRAが映像作品でのAI利用や報酬の引き上げなどを巡って大規模なストライキを実施。

今年9月にはカリフォルニア州知事がSAG-AFTRAを訪問し、AIで俳優やパフォーマーの声や肖像をデジタル複製する場合に同意を得ることを義務付けるといった、デジタル肖像権を保護する2つの法案に署名した(参考)。

このようにデジタル肖像権の保護への関心が高まるエンタメ業界において、Lotiは大きな価値をもたらしそうだ。

665万ドルのシード資金を調達

Loti AIは2022年に設立された、米国ワシントン州シアトルを拠点とするスタートアップ。無許可コンテンツを検出、特定、削除する「Loti Watchtower」と、契約条件にもとづいて無許可配信を排除する「Loti Enforce」を提供している。

現在、Loti AIは大手タレントエージェンシーWMEやそのほか大手エージェンシーと戦略的パートナーシップを結んでおり、世界のセレブと直接連携して彼らのデジタルプレゼンス(オンライン上での認知度や存在感)を確保している。

今年9月末には、シード資金としてKhosla Venturesから追加投資を確保したと発表。この新たな投資により、調達した資金の総額は665万ドルにのぼった。

なお、シードラウンドはテクノロジー分野への投資を行うベンチャーキャピタルのFUSEとBling Capitalが主導したもので、K5 Tokyo Black、Ensemble、AlphaEdisonも参加した。

参考・引用元:
Business Wire
Loti

(文・Haruka Isobe)

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