【特集】社会問題になっている「カスハラ」 新潟県内でもタクシーの車内で・・・ 企業に求められている対策とは?《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年6月8日 20時3分
客からの迷惑行為などを指す「カスタマーハラスメント」、いわゆる「カスハラ」。理不尽な要求に悩んだり時には暴力を受けることもあるといいます。従業員を守るための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
客が激怒 専務が土下座
栃木県にある温泉旅館の防犯カメラに写っていた映像。チェックインができる時間の30分前、2人の客が入ってきました。
宿泊客
「変だよお宅の旅館は!」
「ちょっと社長呼んでくれる!」
この旅館では館内の消毒をおこなうため、チェックインまでは車で待つよう案内しているといいます。
それに対し、この2人の客は激怒。口調はさらに強まります。
宿泊客
「冗談じゃないよ!旅館じゃないよ!申し訳ないじゃねえばかやろう!」
「謝るんだったら土下座……」
旅館側は30分もの間、この客に対応。
謝罪を続け、最終的には旅館の専務が土下座をするという選択をしたといいます。
カスタマーハラスメントとは
客からの不当な要求や迷惑行為などによって従業員の業務に影響が出る「カスタマーハラスメント」……いわゆる「カスハラ」。
この問題は新潟県内でも発生しています。
新潟県でも タクシーの車内で……
新潟市内を走行していたタクシーの車内。
酒に酔った状態で乗り込んできた男は、運転席の方に身を乗り出すと……
乗客の男
「てめえ、このやろう!」
突然、運転手に殴りかかりました。
乗客の男
「どこへ行くんだ、お前は!」
運転手の服をつかみながら、男は悪行を続けます。
乗客の男
「こうなったら殺すぞ、お前。俺、殺すぞお前のこと!」
「よし、殺してやる・・殺してやるお前のこと」
その後、運転手は警察署へ。
乗客の男は警察官に対しても暴行を加えたとして、現行犯逮捕されました。
街の人も「カスハラ」を経験
街の人にも「カスハラ」について話を聞くと……
サービス業の男性
「『ばかやろう』とか、『お前と話しても話にならん、上を出せ』とか」
自営業の男性
「『こっちは高い金払ってるんだから、それくらいやってくれよ』みたいな話はよく聞きます」
ライブ配信を行っている会社の代表だという男性は、配信を見ている客からカスハラの被害を受けていると話します。
ライブ配信会社代表の男性
「もうしょっちゅうですよ。エブリデイ、カスハラ。『このライブ配信者が自分のコメントを無視した』とか。理不尽の極みですよ」
客からの理不尽なクレームに、日々頭を悩ませているといいます。
相談を受ける企業も増加
こちらはことし5月に、厚生労働省が発表した調査結果です。
過去3年間で、従業員からカスハラの相談を受けたことがある企業の数は、全体の27.9パーセントを占めました。
これは「パワハラ」、「セクハラ」に次いで、3番目に多い数だったといいます。
東京都は防止条例を制定へ
こうした事態を受け、東京都は全国で初めてカスハラを防ぐための条例を制定しようとしています。
暴行や脅迫などの違法行為に加えて、威圧的な言動や土下座の要求などの不当な行為も「カスハラ」として、「何人(なんぴと)も行ってはならない」と規程する方針です。
ことし秋の都議会で成立を目指すということです。
従業員を守るには
従業員をカスハラから守るためには、どうすればよいのか。
企業からハラスメントの相談を受けているという、コンサルタントのかんの ゆうきさんに対応策を聞きました。
コンサルタント かんの ゆうきさん
「カスタマーハラスメントの判断基準というものを、しっかりと明確にしておくことが重要です。(企業の)トップの人が『うちのカスタマーハラスメントの対策はこういったことをする』という具体的なものを、従業員に示すことがとても重要です」
その上で、カスハラへの対応策を客側に周知することも必要だと話します。
カスハラ対策を客に周知
コンサルタント かんの ゆうきさん
「お客様と接する場面が多い小売業や飲食業は、SNSやホームページ等で『カスタマーハラスメント対策について、うちはこういったことをしていきますよ』、『こういうことがあったら毅然とした対応で接します』というのを、声明で発表するのが重要です」
大きな社会問題になっているカスハラ。
厚生労働省は対策マニュアルを作成し、企業に活用を呼び掛けています。
2024年5月31日「夕方ワイド新潟一番」放送より
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