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56歳ダービー制覇横山典弘が見つけた一瞬の“穴” ファンうなった神騎乗「よく突っ込んだな」

THE ANSWER / 2024年6月5日 11時3分

10年ぶり3度目のダービー制覇を成し遂げた横山典弘騎手【写真:産経新聞社】

■春の東京G1・5連戦が終了、好騎乗光った3レースに注目

 2日に行われた安田記念で今春の東京競馬場G1・5連戦が幕を閉じた。2歳王者の圧勝劇にベテランの涙の初タイトル奪取、新たなオークス&ダービー馬の誕生、18年ぶりの外国馬Vなど、競馬界は大いに盛り上がった。競馬ファンが熱狂した濃密な5週間を振り返る。今回は好騎乗でG1勝利をつかんだ3レースでの騎手の技に注目。56歳のベテランが見せた一瞬の判断や、リーディング首位を走る2000勝ジョッキーがライバルを封じた巧みな進路どりはファンをうならせた。

○5月26日 日本ダービー 56歳横山典弘の2つの“英断”「ノリさんだからできたこと」

 2021年生まれの3歳馬7906頭の頂点に立ち、91頭目のダービー馬の称号を得たのはダノンデサイル(牡3・安田、父エピファネイア)。横山典騎手は56歳3か月4日での勝利となり、武豊が持つダービー及び、JRA・G1史上最年長勝利記録を更新。レースはベテランの読みが見事にハマった。

 牡馬クラシック1冠目のG1皐月賞を前半1000メートル57秒5の超ハイペースで逃げて、レコード決着を誘発したメイショウタバルが枠順確定後に出走取消。逃げ馬不在のダービーは戦前の予想通りスローペースとなり、1000メートル通過は62秒2と落ち込んだ。そんなレースをインの4番手で進めたダノンデサイル。道中、早めに仕掛けてきた外の馬の動きにも惑わされず、じっとしたまま4コーナーを回った。

 逃げたエコロヴァルツの鞍上は岩田康誠騎手はインにこだわる騎手だけに、背後の横山典騎手はじっと進路を探した。岩田騎手が一瞬インを空けたタイミングで“穴”を見つけた横山典騎手は最内に進路を選択。迷わず突っ込み、ダノンデサイルは抜群の瞬発力で先頭に立った。外を回った1番人気の皐月賞馬・ジャスティンミラノに追い上げられたが、上がり33秒5の末脚で完封。横山典騎手は見事に3度目のダービー制覇を果たした。

 この“神騎乗”にネット上のファンはうなるばかり。「ノリさんうますぎなんだが」「よくあそこに突っ込んだな」「岩田が少し外にもたれたのを見逃さなかったね」「たぶんインしか考えてなかったのでは」といった称賛の声であふれた。

 ダノンデサイルは皐月賞の発走直前に右前肢跛行で出走取消。ゲート裏で違和感に気づいた横山典騎手の進言があった。結果的にここで無理をさせずに立て直したことが奏功。この“英断”にもファンからは「馬優先主義素晴らしい」「あの回避はノリさんだからできたこと」といった声が上がっていた。

○5月5日 NHKマイルカップ 発走してすぐに勝利確信した川田将雅が万全を期した“ブロック”

 今年の3歳マイル王決定戦は豪華なメンバーが揃った。2歳王者ジャンタルマンタル(牡3・高野、父パレスマリス)と桜花賞2着の2歳女王アスコリピチェーノ、世代隋一の素質馬と言われたボンドガール、それを2歳時に破ったゴンバデカーブース、G3アーリントンカップを差し切ったディスペランツァなど多士済々。それでもファンは、皐月賞の超レコード決着で早めに動いて3着と踏ん張ったジャンタルマンタルを1番人気に推した。

 8枠17番という大外に近いゲートが不安視される中、鞍上の川田騎手は絶好のスタートを切って早々と外の3番手というポジションを確保。レース後のインタビューで、この時点で勝利をほぼ確信していたという川田騎手は各馬の動きを見ながら、いつでもゴーサインを出せる態勢で4コーナーを回った。

 直線を向いたところでジャンタルマンタルの内にはルメール騎手が手綱をとったアスコリピチェーノが。川田騎手はすぐに追い出さず、前を走る馬を利用しながらルメール騎手に“フタ”をした。ルメール騎手はたまらず、さらに内に進路をとったが他の馬と接触。後続がごちゃつく中、ジャンタルマンタルは末脚を伸ばして悠々とG1・2勝目を飾った。不利があったアスコリピチェーノが最後、2着まで押し上げたことを思えば、川田騎手の巧みな手綱裁きと追い出しのタイミングが光ったレースだった。

 ネット上のファンからは「ルメールを外に出させなかったね」「川田ブロック」「川田の匠の技」「フタしなくても楽勝だったと思うけど、万全を期したな」といった声が上がっていた。

○6月2日 安田記念 香港最強馬ロマンチックウォリアーのG1・8勝目呼び込んだ“我慢”

 上半期最強マイラー決定戦の最大の注目となったのは、香港から参戦したG1・7勝馬ロマンチックウォリアー(騙6・シャム、父アクラメイション)とヴォイッジバブルの2頭。日本馬は昨年のG1マイルチャンピオンシップを制し、3月のドバイターフで2着のナミュール、前哨戦のG2マイラーズカップを勝ったソウルラッシュ、昨年2着のセリフォスが迎え撃つ構図となった。

 ロマンチックウォリアーはここまでG1・4連勝中とはいえ、初の日本遠征に加え、鞍上のジェームズ・マクドナルド騎手も日本で未勝利。芝1600メートルの距離も久々とあってわずかに不安もあった。

 レースはハナに立つほどの好スタートから中団の5、6番手あたりにつけて折り合いもスムーズ。だが直線に入ると、外のステラヴェローチェの横山典弘騎手に“フタ”をされる格好。思うように動けないピンチだったが、残り400メートルをきったところで前が開くと、マクドナルド騎手の剛腕とともに馬群を割った。残り200メートルで先頭に立つと、ナミュールとソウルラッシュの追い上げをしのいでゴール。マクドナルド騎手はスタンドに向けて派手なガッツポーズを見せた。

 これで香港、オーストラリア、日本の3か国でG1制覇となったロマンチックウォリアー。ファンからは「待たされても脚が違ったな」「日本の馬とは別次元」「並んだら抜かせない」「我慢できたのも自信があったから」「ノリさんうまくブロックしてたけど」とこれが日本初勝利となったマクドナルド騎手の手腕を称える声が上がっていた。(THE ANSWER編集部)

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