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「まともに歩けなかった時期に比べたら…」 18歳で五輪出場から3年、青山華依が向き合う現在【日本学生陸上】

THE ANSWER / 2024年6月19日 8時43分

2024日本学生個人選手権、200メートルに出場した青山華依【写真:中戸川知世】

■18歳で東京五輪4×100mリレーメンバーとなった青山の現在

 陸上の2024日本学生個人選手権が16日までの3日間、神奈川県のレモンガススタジアム平塚で行われた。2021年に行われた東京五輪で、18歳ながら女子4×100メートルリレーに出場した青山華依(甲南大4年)は100メートルで準決勝敗退。昨年2月に左足の前十字靱帯断裂という大怪我を負い、1年近い時間をかけて復活してきたところで、今も試行錯誤の連続。前後半で大きく変化した大学生活を振り返ってくれた。

「やっぱり久しぶりなので、場に慣れるのが大変です。今は怪我なく走り切ることが目標。まともに歩けなかった時期に比べたら、うれしい1年なので……」

 トラックに戻ってきた喜びと戸惑いが口をつく。青山は昨年2月の練習中、左膝の前十字靭帯断裂と半月板損傷という重傷を負い、手術を受けた。医師の方針で完全に固定する期間こそ短かったが、昨年の今頃は「ようやくジョグを始めたぐらいでしたね」という状態だった。11月に実戦復帰こそ果たしたものの、大学3年のシーズンをほぼ棒に振った。

 迎えた最終学年は、とにかくレースをこなす日々だ。今季はこれまで11個の大会や記録会に出場。この大会でも100メートルと200メートルにエントリーした。100メートルでは「決勝に残りたかったですけどね……」と悔しがったものの、予選からB決勝まで1日3レースをこなした。準決勝は11秒79(追い風3.4メートル)で組5位。B決勝は11秒98(同0.8メートル)で6位。現在の走りと課題について、言葉を選びながら表現する。

「今の足に合う走り方を探していかないと。言葉にするのが難しいですけど、前に比べたらやっぱり思うような感覚ではない。左足をかばっていた影響もあると思いますし……。足りないことばかりです。体も絞れていないし、後半がまだまだ」


100メートルでは決勝に残れず悔しがったものの、1日3レースをこなした青山【写真:中戸川知世】

■靭帯断裂の大怪我も「1年間の休憩」と考えたが…

 大学1年時には、この大会で100メートルの自己ベスト11秒47を記録して優勝。東京五輪にも4×100メートルリレーの一員として出場を果たした。2年時には米オレゴン州で行われた世界選手権で、同種目の日本新43秒33を打ち立てた。手応えも十分。順調に成長していたところでのアクシデントだった。

 大学生活の前半と後半ではっきり分かれた明暗を、どのように消化しているのだろうか。

「2年目までは順調だったんですけどね……。3年でもう一段上げたかった。ずっと走ってきたので、1年間の休憩と考えていたんですけど、戻ってきたら今度はその1年の差が埋まらない。足りないのはわかっているので、それも受け止めていくしかないと思っています」

 今月末の日本選手権で、レース漬けの期間はひとまず終わる。その後は9月に行われる日本インカレへの出場が目標だ。7月、8月とまた練習を積み、新たな走りを作り出そうとしている。

 この大会では、シルバーを基調とした模様の凝ったネイルが、指先を彩っていた。競技もおしゃれも楽しむ。それが青山のスタイルだ。「今は銀色にハマっているんですよね。コールの時にこうやって、じっと見ているんです。かわいいなって思いながら……」。集中と切り替えを繰り返しながら、完全復活への道を歩く。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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