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「10年前は信じられなかった」 主将・富樫勇樹が豪州相手に見た景色 パリ五輪から未来へ「繋がる大会に」

THE ANSWER / 2024年6月24日 10時33分

オーストラリア戦に出場した男子日本代表の富樫勇樹【写真:Getty Images】

■日本生命カップ2024

 男子バスケットボールの世界ランク26位・日本代表は23日、北海道・北海きたえーるで国際強化試合に臨み、同5位のオーストラリア代表と95-95で引き分けた。89-90で逆転負けした22日の初戦に続き、パリ五輪を見据えた一戦。課題が浮き彫りになった連戦だったが、長年日本バスケ界を牽引してきた主将の富樫勇樹は、「10年前には信じられなかった」という景色を前に、強い覚悟を固めた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 主将の目は、日本バスケの過去と現在、そして未来を行き来していた。

 両軍で最も小さい身長167センチ。自分より最大で53センチも高い豪州代表に囲まれながら、富樫は持ち前のスピードで間隙を突いた。巨体を当てられながらも抜群の体幹でレイアップを沈めると、ドライブを警戒した相手を嘲笑うかのようにプルアップシュート。ドリブルで守備を3人引き寄せると、比江島慎にキックアウトパスを通し、3ポイントシュート(3P)をお膳立てした。

 15分22秒の出場で9得点3アシスト。主役は両軍最多の28得点6アシストを挙げた同じポジションの河村勇輝に譲ったが、大黒柱としての存在感を随所に発揮した。一方、チーム全体としてミスから簡単に得点を許してしまい、ターンオーバーからの失点は豪州の倍にあたる24を数えた。「細かいところを修正し、コミュニケーションをとってやらないといけない」。会見ではまず反省が口をついた。

 89-90で敗戦した初戦に続き、勝ちきれなかった。世界ランク5位の豪州とはいえ、NBA組が不在で若手中心のチーム。トム・ホーバス監督は「細かいことがいっぱい足りない。それが大きな問題」と課題は1つではないと強調する。ファウルがかさみ、連係ミスからボールを奪われた。狙い通りにプレーを遂行できない甘さも目立った。富樫も「あと1か月でどれだけ成長できるか」。主将の目は厳しい。

■「Bリーグが始まってからの日本バスケの成長は凄いものがある」

 パリ五輪期間中に31歳になる富樫は、2016年のBリーグ創設前から日本バスケ界を牽引してきた。米モントロス・クリスチャン高を経て、13年にbjリーグ・秋田に入団。14年にはNBAのサマーリーグにも挑戦した。19年には日本バスケ界初の1億円プレーヤーに。しかし、代表としては歯痒い思いを抱えてきた。19年ワールドカップ(W杯)は怪我のため欠場。21年の東京五輪では1勝もできなかった。

 厚い世界の壁。しかし、昨夏のW杯でついにこじ開けた。歴史的な3勝を挙げ、48年ぶりに自力で掴んだ五輪出場権。ようやく新しい景色が見えた。「Bリーグが始まって8年、そこからの日本バスケの成長は凄いものがある。10年前は(五輪の)1か月前にこうしてテストマッチをしている状況は信じられなかった」。感慨深げに語る富樫は、さらに現在、そして未来に目を向けた。

「これが当たり前になって、今度は『メダルを獲りたい』といった高い目標になっていく。そこを目指していけるような結果を残して、これからに繋がっていくような大会にしたい」。パリでの目標はベスト8。厳しい戦いは承知の上だ。「前回の東京五輪、W杯を含め、常に代表最後のつもりでやっている」。頼れるキャプテンは、日本バスケの未来のために全てを出し尽くす覚悟だ。(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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