1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

一番小さなプロ野球選手、滝澤夏央が超えたい「あまりにも大きな存在」 時間が経つほどわかる“怖さ”

THE ANSWER / 2024年6月28日 6時44分

滝澤は自身の身長を「長所です」と言い切る【写真:羽鳥慶太】

■身長2mの巨人・秋広と並んだ姿が話題に

 西武の20歳、滝澤夏央内野手は身長164センチ。現在のプロ野球界で最も小柄な選手だ。今季は開幕こそ2軍スタートだったものの、5月に1軍昇格。攻守にスピード感あふれるプレーで奮闘している。シーズン中の監督交代を経るなど、苦しいシーズンを送るチームで、自分の役割をどう考えているのか。少年時代から憧れた源田壮亮内野手から感じることや、大きな夢を話してくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

 交流戦が行われていた6月上旬、1枚の写真がSNS上で話題となった。ベルーナドームでの巨人戦、出塁した滝澤が一塁塁上で、身長2メートルの秋広優人内野手と並んでいる場面だ。滝澤もこれは目にしたといい「できれば、並びたくなかったですよね」と口にする。

「目線が(秋広の)ベルトの位置でしたからね」

 こう笑い飛ばせるのも、滝澤が自身の体格をハンデとは考えていないからだ。「この身長は長所です。大きい選手ばかりで、小さいのは……と思われるかもしれません。不利もあるかもしれませんが、魅力をアピールもできるんです」。

 滝澤は2022年に育成ドラフト2位で西武へ入団し、初めての春季キャンプに臨んだ。当時18歳。並の高校生なら気圧される場面だが「意外と行けるんじゃないかと思えたんです。自信はありました」。プロに見てもらおうとどうアピールするか考え、ひたむきに伸ばし続けてきた守備は、このレベルでも劣っていないと思えた。

 実際、その感覚は間違っていなかった。5月13日には早くも支配下登録され、同日の楽天戦に「2番・遊撃」で先発出場。初安打と初得点を記録した。育成ドラフトで指名された高卒新人が、デビュー戦で安打を放つのは史上初という快挙だった。日本代表の常連でもある名手・源田壮亮内野手の後継者が現れたという見方をされることもあるが、プロでの生活が長くなればなるほど、感じることがある。

「あの時は無我夢中でしたけど、今の方が源さん(源田)の後の守りづらさというか……。怖さを知りました」


「あまりにも大きな存在」源田を超える守備職人を目指す滝澤【写真:羽鳥慶太】

■いつか超えたい「あまりにも大きな存在」源田の姿から感じたこと

 源田の存在の大きさを感じるのは、守備の時だけではない。このインタビュー前日の6月11日、西武は広島に1-2で敗れ8連敗を喫した。最後の打者となった源田は一塁に頭から飛び込み、アウトになるとそのままなかなか顔を上げられなかった。ベンチで見ていた滝澤の心にも突き刺さった。

「源さんは本当に僕らがやりやすいように、ずっと声をかけていてくれるんです。その上、結果も出さないといけない立場でプレーしている。本当にカッコいい、すごいと思う一方で、自分がもっともっとやらないといけないと思います」

 体の小ささを長所に変えるには守備だと気づいた中高生時代、見たこともない守備範囲とボールさばきを見せる源田に目を奪われた。そのまま同じチームでプレーすることになり、源田のポジションを奪うことが目標となった。

「自分はいつか、ショートのレギュラーとして出たいと思っています。あまりにも源さんは大きい存在ですけど……」

 大きな選手にパワーで圧倒され「現実を感じました」という新潟・関根学園高時代には「夢はプロ野球選手だって、言ってもいいのかな?」と思ったこともある。ただそこで「諦めかけはしたかもしれませんが、諦めはしなかった」といえるハートの強さも、滝澤が秘める大きな武器だ。

 苦しいシーズンが続く西武には、どんな時も諦めず、雰囲気を変えてくれる若手選手の台頭が不可欠。今季は三塁での出番が多い滝澤は、隣のポジションから源田を見つめながら、超える方法を見つけ出そうとしている。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください