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バレー日本代表入りで「ママ行かないで」 せがむ愛息へ、35歳岩崎こよみが誓う完全燃焼のパリ

THE ANSWER / 2024年7月2日 7時33分

記者会見でコメントする女子バレー日本代表の岩崎こよみ【写真:中戸川知世】

■2021年に出産、昨年A代表に復帰 五輪行きは「不思議な気持ち」

 日本バレーボール協会は1日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで会見を開き、パリ五輪の出場内定選手12人を発表した。出産を経て復帰したセッターの35歳・岩崎こよみもメンバー入り。愛息と離れ離れの代表生活に寂しさを感じながらも、初の五輪で完全燃焼を誓う。

 銀メダルを獲得したネーションズリーグ準決勝ブラジル戦でも、攻撃陣を操って歴史的勝利に貢献。大会を終え、眞鍋政義監督からは落ち着いたタイミングで代表内定を伝えられた。09年、17年のワールドグランドチャンピオンズカップ、18年世界選手権に出場しているが、五輪は初。「また次の目標ができた。本当に行けるんだという、不思議な気持ち」。穏やかな口調で微笑んだ。

 2021年5月に第1子の男児を出産。産後2か月は育児に専念し、復帰への道は歩くことと腹式呼吸からスタートした。授乳が終わるまで、貧血のような症状に悩む時期も。それでも息子の成長を横目に戦い、昨年遂にA代表に復帰。チーム最年長だった杭州アジア大会で主将を務めた。

 代表戦で家を空ける時、かわいい我が子には「ママ行かないで」とせがまれる。テレビで日の丸が映ると「ニッポン、ニッポン」とエールを送るように。ちょっとだけ、母の仕事が理解できてきた。

「『ママはニッポンが1番で(所属チームの)上尾は2番だね』って言っているので、違うチームでやっているのは何となく分かっていると思う」。離れ離れは母も寂しい。だからこそ、中途半端な戦いはしたくない。


公開練習でトスを上げる岩崎。パリ五輪へ精度を上げる【写真:中戸川知世】

■ママアスリートを目指す次の世代へ「実現できる環境を」

 ママアスリートは増えつつあるとはいえ、岩崎の周囲では結婚、出産をきっかけにバレーを諦める選手が少なくなかった。「まだまだできそうなのに、辞めちゃうんだな……」。簡単ではないが、自分が両立できれば次世代に道を示せる。

「後の世代の子たちがそういう希望を持った時、それが実現できる環境を作っておきたい。そのために自分がちゃんと復帰して、出産前より価値があるといわれるようにならないと、後に続く選手がやりづらい。そういう気持ちはあります」

 代表期間中は、電話越しの息子の声に癒しをもらう。「オンオフの切り替えの部分で助けてもらっています」。大変なことばかりではなく、むしろ得られるものも大きい。

 眞鍋監督にはブロックの強さも買われ、正セッターの期待がかけられる。ベテランとして、主将でエースの古賀紗理那を支える役割も担う。「寂しい気持ちは抜けないけれど、残り約1か月、全力でやりたい」。パリで獲ったメダルを我が子に見せるため、トスの精度を磨き上げる。(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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