1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

陸上日本選手権で「危機感」を連呼 世界を制したやり投げ・北口榛花が感じる壁「順調じゃない」

THE ANSWER / 2024年7月3日 8時43分

日本選手権に出場した女子やり投げの北口榛花【写真:奥井隆史】

■陸上日本選手権

 五輪金メダルへの道は簡単ではない。6月30日まで行われた陸上日本選手権(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)。28日の女子やり投げ決勝では、昨年ブダペスト世界陸上女王の26歳・北口榛花(JAL)が62メートル87で2年ぶり4度目の優勝を飾った。レベルの違いを見せたが、すでに出場権を持つパリ五輪へ「危機感がある」と連呼。夢の金メダルに向けて一つの壁にぶつかっていた。

 優勝にも持ち前の明るさは爆発しなかった。北口は1投目から61メートル10をマーク。2投目の62メートル87でトップに立った。尻上がりに調子を上げるタイプだが、最終6投目は59メートル87。2位に終わって号泣した昨年大会の借りを返したが、取材エリアでは首を捻った。

「もう少し記録的な部分がほしかったけど、勝てたのはよかった。3投目から崩れてしまって立て直せなかった。気持ちよく投げられているけど、3投目から自分で崩してもったいない。3投目だけ悪い意味で次元が違う。そこから戻って来られなかった。やっぱり調子が上がっていないのは実感した。危機感はあるので、急ぐ必要はないけどしっかり、きっちり準備する必要はある」

 昨年ブダペスト世界陸上で金メダルの快挙。今季は4月末の世界最高峰ダイヤモンドリーグ(DL)蘇州大会を62メートル97優勝。1勝でも快挙とされたDLで通算7勝目を挙げた。5月5日の水戸招待は61メートル83で2連勝。しかし、コンディションが優れず、2週間は技術練習よりコンディション調整を最も重視した。

 5月のセイコーゴールデングランプリ(GGP)は63メートル45で制し、日本選手権直前のフィンランドの競技会で64メートル28の今季ベストをマーク。夏にピークを合わせながら結果も残してきた。ただ、感覚がいいとは言えず「あまり順調じゃない。もっと頑張らないといけない。とても危機感がある状態」と表情は浮かない。

「パリ五輪に向けて各国の選手が調子を上げてきている中、自分が上がりきらないことに一番危機感がある。64メートルでも『う~ん』という感じ。私が思っていたより、皆さんの記事が『調子が上がってきた』と良い感じに書いてくださっていてビックリしました(笑)。自分の中ではまだちょっと上がりきっていないかな」


日本選手権に出場した女子やり投げの北口【写真:奥井隆史】

■猛省中でも嬉しいのは年下の台頭「本人たちにはあまり言わないけど…」

 体の柔らかさを生かした投てきや、助走のリズムアップが課題。本番の強さが武器の一つだが、「練習で飛ばないので、練習でも(実力を)出すのが課題。今は6投目に逆転することではなく、6投目までにしっかり投げられるようにしないといけない」と猛省した。

 目標が高いだけに自分に求めるレベルもアップするが、そんな中でも嬉しいことがある。61メートル41で2位の武本紗栄は24歳、60メートル72で3位だった上田百寧は25歳。年下選手が60メートルを越え、台頭を示した。

「今回自分より若い2人が2、3位。凄く嬉しかったし、2人とも海外の試合にもたくさん出るようになってきた。本人たちにはあまり言わないけど、私としては凄く嬉しいなんです。『こうやっていかないと高まんないよね』って」

 日本記録は優勝した昨年9月DLブリュッセル大会の67メートル38。夢のパリ五輪金メダルへ、DL2試合で調整する。「人は人、自分は自分のペースがあるとは思っていますが、少しでも世界のトップ選手と戦う中できっかけみたいなものを掴めたら。悔いの残らないように、どういう結果でも『全部やったぞ』と思えるような、そういう準備をしていきたい」と力を込めた。

 昨年は日本選手権の負けから世界制覇に繋げた。今季も不可能なわけがない。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください