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女性球審は看護師との“二刀流” 激務でもやめられない高校野球審判の魅力「いつかは甲子園に…」

THE ANSWER / 2024年7月10日 7時3分

大きなゼスチャーで投手にカウントを伝える女性審判の岩男香澄さん【写真:山野邊佳穂】

■第106回全国高校野球選手権・神奈川大会

 第106回全国高校野球選手権・神奈川大会は9日、サーティーフォー相模原球場で2回戦を行った。春の県大会を制した武相と海老名が戦った第1試合で球審を務めたのが岩男香澄さんだ。自らもかつては女子野球の選手だった。高校2年時に蒲田女子高で全国制覇を果たし、現在は看護師として働く31歳がどのようにして高校野球の審判員になったのか。球児に最も近い位置にいるからこそ感じる、高校野球の“魅力”も聞いた。

 ストライクには力強く拳を握り、時おり選手にやさしく声をかける。球児にとっては負けたら終わり、特別な試合を全力で裁いた。「選手の思いや熱意に負けないように一生懸命にやれたかな」。酷暑の試合を終えて汗が滴る岩男さんの表情はさわやかだった。

 蒲田女子高の野球部で2年春に全国制覇。自身は一塁手で出場した。3年夏に引退し、その後は神奈川県高野連の審判員を務めていた父の影響で審判を志した。初めは草野球を裁くところからのスタート。2018年に高校野球デビューを果たした。

 現在は看護師として働きながら、休日を利用して審判員を務めている。普段は病棟勤務で日勤、夜勤も含めてシフト制の激務。審判を務める日は事前に申請し、休みをもらっている。

 それだけの魅力が、審判にはあるという。「高校野球のグラウンドに入れるのは、選手のほかには審判員だけ。監督でも入れない。近くで見て、裁いて、ゲームを作っていくのが面白い」。忙しい日々でも、すき間時間で勉強を欠かさない。講習会に参加し、練習試合でも志願して審判を務めるなど、腕を磨き続けている。

 野球の審判はまだまだ男性の世界という印象が強いが、少しずつ女性の活躍の場も増えており「先輩たちが切り開いてくれたので、考えすぎずに始められた」と感謝する。5月には各県1名(北海道は2名)が甲子園に集まる全国審判講習会にも参加。女性審判員の出席は今年が初めてで、7人が集まった。日本高野連も女性の活躍を後押ししている。

 猛暑の中で始まった今夏の神奈川大会。連日熱戦が続く中、足をつって交代を余儀なくされる球児の姿も目立つ。「医療職なので、選手が何かあった時は助けてあげたい。顔色見て『大丈夫かな』と思う子には声をかけるようにしている」。看護師だからできる役割も果たすつもりだ。

 高校野球の魅力について「1個1個のプレーが一生懸命。高校野球には他とは違った熱さがある」と語る岩男さん。「いつか甲子園にも行きたい」。球児を見守る審判員が目指す場所も、やはり憧れの聖地だ。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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