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9回に7得点…超効率練習が生んだ松陽の逆転劇 唯一2年生スタメン、山本樹が決勝打「人生で一番」

THE ANSWER / 2024年7月10日 7時33分

9回1死満塁から走者一掃の決勝二塁打を放った松陽・山本樹【写真:山野邊佳穂】

■第106回全国高校野球選手権・神奈川大会

 第106回全国高校野球選手権・神奈川大会は9日、サーティーフォー相模原球場で2回戦を行い、松陽が8-3で東に勝利、昨夏に続き3回戦に進出した。1-3で迎えた9回に、一挙7点を奪って大逆転。「1番・遊撃」で出場し、決勝の3点二塁打を放った山本樹は唯一の2年生スタメン。3年生との夏を先につなぐ逆転打の裏には、日ごろから取り組む“超効率練習”があった。

 先輩との夏はまだ終わらせない――。2点を追う9回1死満塁。山本が3球目、内角高めの直球を豪快に引っ張ると、打球は左翼手の頭上を越えた。走者一掃の決勝二塁打を打てたのは「緊張したけど『先輩たちと長くやりたい』という気持ちが強かった」から。チームを勝利へ導く一打を「人生で1番良かった」と表現した。

 そして土壇場でのつながりを生んだのが、超効率練習だ。平日の練習は放課後の2時間半に限られる。この中で効率をいかに高めるかを考えて練習してきた。打撃練習では3人のピッチャーが並んで投球し、打者も3人一緒に打つ。さらにその生きた打球を野手が捕球し、守備練習にもする。練習と実戦の垣根をなくすべく取り組んできた。

 土壇場で発揮した集中力と、根は同じだ。9回は山本の決勝打の後も打線がつながり、実に打者10人で7点をもぎ取る猛攻。山本も「日頃から、短い時間で集中して練習しているという部分が出たのかな」とうなずいた。

 2年生で唯一スタメンに名を連ねた山本は、逆転打を放ちベンチに戻ると「さすがだな」と先輩たちにも褒められた。4回戦まで戦った昨夏に続く3回戦進出にも「最終的な目標は決まっていない。1戦1戦勝っていきたい」と気を引き締める山本。また勝負強さを発揮する場面がきっとあるはずだ。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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