1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

選手たった11人、成功した“アピール大作戦” テレビ中継に狙い定め快勝…麻生が初の4回戦進出

THE ANSWER / 2024年7月14日 7時33分

選手11人の麻生が初の4回戦進出。スタンドへのあいさつも誇らしげだ【写真:山野邊佳穂】

■第106回全国高校野球選手権・神奈川大会

 第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は13日、サーティーフォー保土ヶ谷などで3回戦を行い、麻生が3-0で平塚湘風に勝利し、チーム初の4回戦進出を果たした。この日、ベンチ入りしたのはマネジャー含めわずか12人。6人の3年生が引退する秋には、単独チームが組めなくなる。何とか歴史をつなげたいナインは、地元局でテレビ中継されるこの試合に狙いを定め、見事アピールに成功してみせた。

 たった11人の選手が、歴史を塗り替えてみせた。両軍無得点で迎えた4回、麻生は2死二、三塁から「7番・一塁」の大河原海惺(3年)が右前に適時打を運び2点を先制すると、8回には1死三塁から今川敦生投手(2年)が投前へスクイズを成功させダメ押しした。投げては今川が被安打7、7奪三振で145球の完封。菅俊輔主将(3年)は「泥臭く、かっこ悪くても良いから最後までやり切る姿を見せられた」と笑顔を見せた。

 選手が少ない影響はいくつもある。試合でも一、三塁のコーチャーは、打順まで遠い2人が担当した。部員が少ないため実戦形式の練習が積めず、球拾いにさえ時間がかかる。それでも菅は「人数が少ない方が、みんな打撃練習を積める」と前向きにとらえてやってきた。

 初戦は相模向陽館を9-0で下し、この日の3回戦進出が決まった。部員たちの思いは一つ。テレビ中継の前で勝ち進んで部をアピールし、新入部員の獲得につなげることだ。狙い通りの快勝に菅は「部員を増やすためにも、テレビ中継の試合で勝てたことは大きかった」とはにかんだ。

 部員が少ない中、力を貸してくれたのはOBだった。大会前には打撃投手やノッカーを務め、球拾いにも協力。この日のスタンドにも、6期上のOBまで駆け付けて声援を送った。昨年の主将だった土岐龍之介さんも「泣いてしまった」と後輩たちの躍進を喜んだ。

 8回、先頭で中越え二塁打を放った際に足をつるアクシデントに見舞われた菅。臨時代走を送られたが、9回には二塁の守備に戻ってきた。「出ないという選択肢はなかった。キャプテンなので意地でも最後までやり切りたかった」とガッツも見せつけた。

 大アピールに成功したものの、チームの最終目標は強豪私学撃破。初の4回戦進出にも満足はしていない。4回戦は16日に立花学園と対戦する。菅は「初回から全開で、最後の1球まであきらめないでやりたい」。麻生野球部の魅力をさらにアピールするつもりでいる。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください