衝撃157秒KO中谷潤人、綺麗すぎる顔で会見 尚弥戦も視野「評価をもらえる」左一撃の「感触は全くない」

初回2分37秒KO勝ち後に会見に出席した中谷潤人【写真：高橋学】

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　ボクシングのWBC世界バンタム級（53.5キロ以下）王者・中谷潤人（M.T）が20日、東京・両国国技館で初防衛戦に臨み、同級1位ビンセント・アストロラビオ（フィリピン）に初回2分37秒KO勝ちした。他団体王者との統一戦が期待される中での一戦。階級最強の呼び声が高く、またも派手なKO勝ちを飾った。戦績は26歳の中谷が28勝（21KO）、27歳のアストロラビオが19勝（14KO）5敗。

　またも衝撃的なKOが生まれた。中谷は初回2分過ぎ、右ジャブから左ボディーストレートを突き刺した。挑戦者は膝をついて悶絶。立ち上がろうとしたが、苦悶の表情を浮かべ、再び倒れた。わずか157秒でKO勝ち。大熱狂を生んだ。世界戦の初回KOは初めてだ。

　中谷は今月3日に約40日の米ロサンゼルス合宿から帰国。現地のスパーリングは90回に留めた一方、KO勝ちへ力強いサンドバッグ打ちを増やした。重心を落とし、下半身を安定させてより強い一発を放つスタイルに。世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド（PFP）」において、日本人では2位の井上尚弥に次ぐ10位に入っている。

　相手のアストロラビオは、2022年2月に元世界2階級制覇王者ギジェルモ・リゴンドー（キューバ）に10回判定勝ちした。昨年5月のWBO世界バンタム級王座決定戦ではジェイソン・マロニー（オーストラリア）に敗れたが、挑戦者決定戦で勝利。過去4敗だが、KO負けは2018年7月が最後でタフさも武器としていた。

　バンタム級はWBAに井上拓真、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、全4つの王座を日本人が保持。同級は元日本王者・堤聖也、この日デビュー4戦目を終えた那須川天心など激戦階級とされている。

　全く傷のない顔の中谷は試合後、同じ興行内で加納陸に勝利し、WBO世界フライ級王座を獲得した親友のアンソニー・オラスクアガ（米国・帝拳）とともに会見に出席した。

――振り返って。

「1回で勝てて良い形で皆さんにパフォーマンスをお見せできたと思う。皆さんの期待も少しずついただけている。それ以上のパフォーマンスを見せられるようにしたい」

――ルディ・エルナンデストレーナーからどんな指示を。

「ルディから試合前にファーストコンタクトに強いパンチを打てと。タイミングは考えていなかった。2、3発目くらいで良いパンチを当てて怯んだので、意識づけはできていた」

――左を警戒されていた。ガードなど見極めは。

「練習していたパンチの一つ。ボディーを意識していたけど、向き合って相手の体を見ていろんなパンチを出して、長くなると思ったけど。相手の体の戻し具合でそう思った。右ストレートと左の瞬発的なものは注意していた。パンチを投げ込めたと思う」

――表情は「えっ!?」という感じ。

「感触は全くない。柔らかくてこれって効くんだと。立ち上がっても詰める準備していた」

――重心が低い。

「高いと余計なパンチをもらうと引いてしまうので、変なパンチをもらわないように。低くしていた。強くパンチを振っていくことは試合前にもトレーナーに言われていた」

――統一戦にインパクトのある試合。統一戦の先に尚弥もいる。

「最終目標ではないけど、僕の大きな目標はPFP1位。評価をもらえますし、強い選手ですし、良い試合になるけど、そこに向けて大事な統一戦がある。その中でそういった舞台を見ていかないといけない」

――階級を上げる場合はバンタム級で思うような試合ができない時か。

「そうですね」（THE ANSWER編集部）