圧勝TKOの那須川天心、タイトル獲得に意欲「何かしらベルト欲しい」 左一撃には自信「タイミングはパワーに勝る」
THE ANSWER / 2024年7月20日 21時32分
■Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングのWBA世界バンタム級7位・那須川天心(帝拳)が20日、東京・両国国技館でボクシング転向4戦目として120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦に臨み、同級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回1分49秒TKO勝ちした。世界ランカー同士の試合と10回戦は初めてだったが、デビュー4連勝を圧勝で飾った。戦績は25歳の那須川が4勝(2KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)3敗1分け。
無数の天心コールを浴び、ゴングが鳴った。最初の見せ場は2回終了間際だ。那須川の狙いすました左ストレートが顎に炸裂。よろめかせ、ラッシュを浴びせた。ゴングに逃げられたが、3回も左ストレートを着弾。ボディー、アッパー、アッパー、右フック、最後にガードの上から左ストレートを突き刺した。ダウンを奪ってTKO勝ち。ほとんどパンチをもらわない圧勝劇だ。
1月の3戦目は初の世界ランカーを相手に圧倒し、相手の棄権で3回終了TKO勝ちした。現在の世界ランクはバンタム級でWBA7位、WBC12位、WBO10位。東洋太平洋は3位、WBOアジアパシフィックは1位、日本ランクはスーパーバンタム級で4位。戦前に「場を支配する」と宣言した通り圧勝し、格闘技戦績を51戦全勝にした。
ロドリゲスは昨年11月に元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級4位だったカリド・ヤファイ(英国)に初回KO勝ち。世界ランクはWBA4位につけ、死角からの右フックを武器としていた。現在の世界バンタム級王座はWBAに井上拓真、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占。バンタム級で世界王座戴冠を見据える那須川は、近い将来の地域タイトル挑戦が期待されている。
那須川は帝拳ジムの浜田剛史代表、元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーと会見に出席した。
――感想を。
「本当にお待たせしました。長い時間が空いてみんな倒すところを見たかったと思う。それをするために毎日、毎日やってきた。今回しっかり倒し切れて、自分の中で少しは成長を見せられたと思う。KOできたところは自分の中ではよかった。感触はあまりない。倒そうと思って打っていない。そこから抜けて、攻めて、押し切れた。今まではそこで引いていたけど、流れの中でいけた。まだまだこれからだと思います」
――被弾は。
「被弾はしていない。全て見えたというか、スタイルが確立してきた。最後の2週間、ちょっと自分の思った動きができなかった。そこから壁に当たって、そこで逃げる人もいるけど、自力でチームで登ってきた。それが収穫。ボクシングの試合ですけど、ボクサーなのにボクサーっぽくないのでは」
――ダウン時の心境。
「ダウンを獲って、またあるぞと思った。勝ったと思わず気を抜かずに戦う準備をしていた。相手がぶっ飛んでいたので気づいたら倒れていた」
――宇宙人だと思わせる試合をすると言っていた。
「ちゃんと見れば正統派でもないとわかると思う(笑)。頭の位置を真っすぐにせず揺らしたり、ワンツーをしなかったり。自分の動きをして相手を動かす。相手に合わせない。自分が場を支配する。そういうボクシング。もちろんスピードとタイミングも狙っていたけど、それはずっと一緒。流れを切らないことを意識して、みんなで作り上げた。倒すパンチは決めていない。何でも当たれば倒すパンチを磨いてきた。相手の動きを見ながら打つこと」
――最後の左。
「狙ってはいない。流れの中で相手が外に動いていたので、その中でいった」
――相手は「パンチが強い」と話していた。成長は。
「それは凄く感じます。相手が気を抜いている時に打てるかが今回のポイント。来るとわかっているものには耐えられる。相手の気が緩んだところ、呼吸、タイミングを読んでやっていて、そこでいいのが入った。パンチ力があるとは思わない、タイミングはパワーに勝ると思う。
ずっとトレーナーに怒られながら日々をやっていました(笑)。もらわないパンチもスパーでもらったし、スパーをスパーと思ってやっていない。試合と同様だと。グラブがデカいし。試合はそれが解放された感じ。重りを外した感じです」
――粟生トレーナーから見て。
粟生トレーナー「冷静に状況判断してパンチを選んで打っている。ただ単に打つのではなく、タイミング、パンチを選んでいる。(相手に何もさせなかったのは)流れが切れなかった。相手に攻撃の隙を与えなかったのが凄くよかった。切れるとトップに行けばいくほどそこを狙われる。(調整中に)最後にバチっとハマったものが出せた。普通に合格点。95点ですかね」
――今後のタイトル挑戦。
「何かしらのベルトがほしいなと。焦らず自分のペースで。時が来たらいつでもいけるよと。記者さんとか、そういう声(求める声)がたくさんあればあるほど早くなるのでは。(次戦へ)今回は結構空いたけど、それは自分をつくるため。完成に近づいたので、今回より早いタイミングでできると思う」(THE ANSWER編集部)
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