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オリンピックはなぜ「五輪」と言う? 言葉の由来は…文字数に悩む同僚救った新聞記者の「大発明」

THE ANSWER / 2024年7月27日 16時3分

オリンピックが五輪と呼ばれている理由を解説【写真:ロイター】

■「シン・オリンピックのミカタ」#7 連載「オリンピック・トリビア」第4回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第4回は「オリンピックは、どうして『五輪』っていうの?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.オリンピックは、どうして「五輪」っていうの?

A.新聞の見出しに「オリムピック」が長かったから。

【解説】

 初めて「五輪」がオリンピックを指す言葉として使われたのは今から88年前、1936年のベルリン大会前でした。発案したのは、読売新聞運動部の川本信正記者。100年近くたった今の定着ぶりを考えれば「大発明」です。

 東京が40年大会の招致を目指していたことで、新聞には「オリムピック」(当時の表記)の文字が数多く躍っていました。見出しをつけるレイアウト担当を悩ませたのが言葉の長さ。新聞の見出しは短い方がいいため「どうにか短く言い換えはできないか」と頭を悩ませていたのです。

 レイアウト担当から相談を受けた川本記者の頭に浮かんだのが「五輪」という文字。クーベルタン男爵が考えたオリンピック旗は世界の5大陸を表す5つの輪でできている。さらに「ゴリン」は「オリムピック」の冒頭の響きに似ている。宮本武蔵が著した「五輪書」もヒントになったといいます。

 読売新聞が始めた「五輪」の表記は、すぐに他の新聞も採用。主に活字メディアで「オリンピック=五輪」になり、それが一般にも浸透しました。かつては「五輪」は書き言葉でしたが、今や選手たちの会話の中にも「パリ五輪」など「五輪」が出てくることが珍しくなくなりました。

 ちなみに、同じ漢字を使う中国では、音に合わせて「奥林匹克」と表記しています。「恋人よ」で知られる歌手五輪(いつわ)真弓さんの五輪は、一家のルーツがある長崎・五島列島の久賀島にある五輪(ごりん)という地名からだそうです。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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