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柔道は銅メダリストが2人いるのはなぜ? 表彰式に違和感も…今回は騒動の2人が同じ表彰台に

THE ANSWER / 2024年7月28日 6時23分

男子60キロ級銅メダルを獲得し、並んで表彰式に上がった永山竜樹(右から2番目)とフラン・ガルリゴス(右)【写真:ロイター】

■「シン・オリンピックのミカタ」#10 連載「オリンピック・トリビア」第5回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第5回は「どうして柔道の銅メダリストは2人いるの?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.どうして柔道の銅メダリストは2人いるの?

A.世界に柔道を広めたかったから。

【解説】

 柔道の表彰式、2人並んだ銅メダリストを見て違和感を覚える人もいると思います。他の競技なら「3位決定戦」で3位と4位を決めるのに、柔道の3位決定戦は2試合あって、それぞれ勝者が3位になります。

 トーナメントで争われる柔道には、敗者復活戦というルールがあります。1度負けても再び勝ち上がって銅メダルまでいけるというもの。敗者復活を勝ち上がった選手が逆のブロックの準決勝敗退選手と行う試合を「3位決定戦」としたため、3位が2人になったのです。

 敗者復活戦はオリンピック競技になる前からありましたが、オリンピックで3位を2人にしたのは柔道界の思惑もありました。64年東京大会から正式種目となった柔道ですが、世界への普及度は今ひとつ。多くの国がメダルを獲得すれば、世界へ広がる。そのための3位2人なのです。

 多くの国がメダルを獲得することは、世界へ競技を普及させるためには不可欠。2000年シドニー大会から正式競技になったテコンドーも当初から敗者復活戦があって、銅メダリストは2人。レスリングは04年アテネ大会まで3位は1人でしたが、08年北京大会から敗者復活戦を採用し、銅メダリストが2人になりました。

 ちなみに、オリンピックで3位が2人いるのは、柔道、レスリング、テコンドーの他にボクシング。KO負け、RSC負けした選手はすぐに次の試合ができないというルールがあるため3位決定戦ができず、準決勝で敗れた2人が銅メダルを獲得することになっています。

 ○…27日に行われた男子60キロ級は3位決定戦で永山竜樹が銅メダルを獲得。準々決勝で不可解な判定の末にフラン・ガルリゴス(スペイン)に敗れたが、そのガルリゴスも準決勝で敗れた後に3位決定戦で勝ち、銅メダルを獲得した。騒動となった試合で明暗が分かれた勝者と敗者が同じ表彰台に乗るという出来事があった。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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