柔道日本を襲った世紀の大誤審「弱いから負けた」 世界が憤慨、金メダル逃しても気丈だった漢の発言【オリンピック事件簿】
THE ANSWER / 2024年7月28日 12時3分
■2000年シドニー、篠原信一は決勝で一本勝ちかと思われたが…
パリ五輪が26日(日本時間27日)に遂に開幕。夏季大会は1896年に第1回大会が開催され、今回で33回目。数々の名場面のほか、記憶に残る“事件”も起きてきた。4年に一度のこの機会に、過去の出来事を「オリンピック事件簿」として振り返る。柔道の“誤審”をめぐって大きな騒ぎとなったのが、2000年のシドニー大会。男子100キロ超級決勝、篠原信一とフランスのダビド・ドイエの一戦だった。
ドイエは1992年のバルセロナ大会では95キロ超級で銅、1996年のアトランタ大会では100キロ超級で金メダルを獲得。シドニーでは連覇を狙っていた。一方の篠原にも、日本選手として1988年ソウル大会の斉藤仁以来となる、最重量級での金メダルという期待がかかっていた。
現在では当たり前となったカラー柔道着が初めて採用された大会。篠原は青い柔道着で畳に上がった。そして1分半すぎ、強引に内股を仕掛けてきたドイエに対し、返し技の「内股すかし」が決まった。2人は組み合って倒れ、篠原は背中から畳に落ちたドイエを見てガッツポーズ。ところが、審判は副審の1人が右手を上げて「一本」と判定したものの、主審ともう1人の副審は「有効」。しかもドイエにポイントがついていた。
高度な返し技を見抜けなかったがための“誤審”でリードを奪われた篠原は。その後一度はポイントで並んだにもかかわらず、攻めきれないまま終了を迎えた。表彰台で悔し涙を見せ「自分が弱いから負けた。それだけです」という気丈な言葉を残した。試合後には山下泰裕監督ら日本側が猛抗議したものの、受け入れられなかった。この判定には世界中から疑問の声が上がり、その後ビデオ判定導入のきっかけとなった。(THE ANSWER編集部)
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