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V2阿部一二三「兄としてやるしかない」 妹・詩の借りを返す貫禄「妹の分まで」「僕自身も凄く苦しい一日」

THE ANSWER / 2024年7月29日 1時5分

金メダルを獲得し、両手をあげて歓喜する阿部一二三【写真:Getty Images】

■パリ五輪

 パリ五輪は28日、柔道男子66キロ級決勝が行われ、2021年東京五輪王者・阿部一二三が金メダルを獲得した。ウィリアン・リマ(ブラジル)に一本勝ち。女子52キロ級の妹・詩は2回戦で敗れ、兄妹同日連覇の偉業はならなかったが、懸命に戦った。

 一二三は堂々と畳に立った。客席では敗退した詩が見守る中、「ひふみ!」コール。開始1分50秒ほどで技ありを奪った。最後も技ありを奪って一本勝ちだ。詩は客席で涙を流した。一二三は両手を挙げて歓声に応え、畳を降りる際には正座で綺麗に一礼。畳を降りると、コーチと抱き合いながら涙を流し、最強を証明した。

 中継インタビューでは「いや、もう最高の思いです」と第一声で語り、「この3年東京五輪が終わって、凄く苦しい想い、しんどい想いばかり。楽な道ではなかった。それを考えて」と涙の理由を説明。「今日妹が負けてしまって、僕自身も凄く苦しい一日。妹の分までやっぱり兄が頑張らないと。難しさというか、やっぱり苦しかったけど、兄としてやるしかないという想いで(気持ちを)抑えてました」と振り返った。

 一二三は初戦の2回戦で一本勝ち。準々決勝では負傷し、鼻血を出しながらも合わせ技で一本勝ちした。準決勝はゴールデンスコア方式の延長戦に入った直後に一本。オール一本勝ちで2大会連続の決勝に駒を進めていた。

 同じく連覇を狙った詩は、2回戦でディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)に谷落で一本負け(3分4秒)。敗戦直後から声を上げて号泣し、コーチに支えられながら退場した。2回戦の負けは敗者復活戦がなく、メダルを逃していた。(THE ANSWER編集部)

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