敗れた女子バレー日本にサプライズ 予想を覆す躍動「こんなに活躍するとは…」絶好調の22歳【江畑幸子の目】
THE ANSWER / 2024年7月29日 9時48分
■「シン・オリンピックのミカタ」#19 女子バレーボール解説・江畑幸子
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
大会期間中、各競技のスペシャリストによる試合解説を随時展開する。今回は女子バレーボール。1次リーグB組の初戦が28日に行われ、世界ランク7位・日本は同4位ポーランドに1-3(25-20、22-25、23-25、26-28)で逆転負けした。男子に続いて黒星スタート。この試合を元日本代表で2012年ロンドン五輪銅メダルメンバー・江畑幸子氏が分析する。敗れた原因とともに、初出場の22歳・和田由紀子の躍動を「こんなに活躍するとは……」と特筆した。(構成=荻島 弘一)
◇ ◇ ◇
大事な初戦だっただけに、残念だし、悔しいですね。競り合った第4セットをとっていれば、前日に行われた男子のドイツチームのように勢いに乗って最終セットもとれたと思います。そういう意味でも、惜しい試合でした。
1セット目はいいスタートでした。大事なオリンピックの最初のセットで古賀紗理那選手のバックアタックもよく決まっていました。ただ、2セット目からはリズムに乗れなかった。ブロックで14本止められ、思うように得点できなかったのが原因です。
もちろん、高さは圧倒的な差がありました。リベロ、セッターを除く平均身長でも日本の178.6センチに対してポーランドは188.6センチと10センチも違います。ただ、ポーランドは高さだけでなく、うまさもありました。角度をつけて打ってくるスパイクは、それでもブロックできるんです。ポーランドは、高いところから遠くを狙ってきた。難しいスパイクをうまく打たれた。これで得点を奪われました。
ミドルブロッカーのコルネルク選手にも決められました。日本は、203センチのスティシアク選手は警戒し、マークしていましたが、その分コルネルク選手に打たれてしまいました。そういう点でも、日本を研究してきたポーランドは強かったと思います。
■1次リーグ3試合で増す1試合の重み 次戦ブラジル戦へ「しっかり準備して」
もちろん、日本にもいいところはありました。第3セットの途中から出てきた和田由紀子選手が、素晴らしいプレーをしました。おもしろいようにスパイクが決まり、途中からの出場で13得点。本人には失礼なんですが、初の大舞台でこんなに活躍するとは思いませんでした。
セッターの関菜々巳選手も和田選手にトスを集めていました。あれだけ調子がいいのですから当然なのですが、最後には手詰まりになってしまいました。和田選手の調子がいいうちに古賀選手や石川真佑選手にもボールを散らして攻めることができれば、第4セットで追い上げた時にあと一押しができたと思います。とても、難しいことではありますが。
私が出場した(12年の)ロンドン大会では、1次リーグは6チームで5試合でした。今回は4チームで3試合。その分、1試合の重みは増します。チームとしてもこの試合に合わせて準備をしていただけに、痛い敗戦です。ただ、大会は終わったわけじゃないし、十分に巻き返しはできます。
ロンドン大会では中1日で試合が続きましたが、今回は中3日あります。気持ちを切り替える時間も、次の試合の準備をする時間もあります。決して小さくない敗戦ですが、引きずらずに次のブラジル戦に集中すること。ネーションズリーグでは勝っていますが、オリンピックになればブラジルもギアを上げてくるはず。しっかり、準備して臨んでほしいと思います。
前日の男子に続いて、日本にとっては苦しい流れです。試合前には柔道の阿部詩選手が負けたり、前日は卓球の混合ダブルスで初戦敗退したり、バレーボールに限らず日本には嫌なムードです。でも、これがオリンピックなんです。流れを断ち切るためにも、次の試合、頑張ってほしいと思います。(THE ANSWER編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
五輪のブラジルはこれまでとは違う 荒木絵里香氏がバレー女子に送る提言
スポニチアネックス / 2024年7月29日 11時31分
-
【女子バレー】日本は初戦惜敗 ポーランドの“高さ”に屈し1-3 キャプテン古賀紗理那が勝負所で奮闘
日テレNEWS NNN / 2024年7月28日 21時54分
-
眞鍋ジャパン、世界ランク4位のポーランドに惜敗 12年ぶりのメダルへ黒星スタート【パリ五輪】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月28日 21時51分
-
東京オリンピック予選敗退に「次の監督は苦労するだろうな」と思っていたが…女子バレー日本代表監督・眞鍋政義が名乗りを挙げた“覚悟の理由”
文春オンライン / 2024年7月28日 11時0分
-
敗れた男子バレー高橋藍に気になる動き 狂った日本の歯車「数字には表れないものの…」【加藤陽一の目】
THE ANSWER / 2024年7月28日 6時13分
ランキング
-
1なでしこ衝撃の大逆転でブラジル粉砕! 後半ATにPKで同点→19歳谷川萌々子スーパーゴールで大会初勝利
THE ANSWER / 2024年7月29日 1時52分
-
2阿部一二三が連覇!号泣から7時間…詩はスタンドで歓喜の涙 東京五輪から無敗で日本柔道50個目金メダル
スポニチアネックス / 2024年7月29日 0時59分
-
3女子スケボー14歳・吉沢恋が金メダル! 銀メダルは15歳の赤間凛音、日本人が種目連覇&ワンツーの快挙
THE ANSWER / 2024年7月29日 1時18分
-
4【バスケット】富永啓生絡めるカリーへの質問が物議「リスペクトない」「NHK的外れすぎ」
東スポWEB / 2024年7月28日 20時6分
-
5五輪制覇後に示した日本の柔道精神に感嘆 角田夏実の「美しさに感動」「なかなかできない」
THE ANSWER / 2024年7月29日 6時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)