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バレーボールの「グリーンカード」って何? レッド&イエローと正反対の効果、起源は実は「日本サッカー」

THE ANSWER / 2024年7月31日 18時33分

バレー男子日本代表【写真:Getty Images】

■「シン・オリンピックのミカタ」#36 連載「オリンピック・トリビア」第10回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第10回は「バレーボールのグリーンカードって何?」

 ◇ ◇ ◇

Q.バレーボールのグリーンカードって何?

A.子どもたちにフェアプレーを教えるためのもの

【解説】

 バレーボールのネーションズリーグで話題になりました。「フェアプレーの奨励」が目的ですが、多かったのは主審が見逃したブロックのワンタッチやタッチネットなどに「やりました」と自己申告する例。相手のチャレンジ後に「どうせばれるから」と申告することには疑問の声もありますし、最多カード獲得チームに賞金がでるのも違和感がありますが、競技のスピード化も狙いですから導入の効果はあるのでしょう。

 ネーションズリーグでの使用は昨年大会からですが、日本の小学生の大会では以前から導入されていました。「不利な判定になる場合でも、正直に自己申告した」の他に「ミスをした選手への励まし」「全力でのプレー」などが対象。コート外での模範的な行動にカードが出ることもあります。

 最初に導入したのは、日本サッカー協会でした。「してはいけない」ことへの罰則としてのカード(レッド、イエロー)とは別に「してほしい」ことを奨励するために今から20年前の04年に始まりました。「ケガをした選手への思いやり」「意図せぬファウルの際の相手への謝罪」「判定が違った場合の自己申告」など、ポジティブな行動を奨励するもの。日本協会は審判にグリーンカードを配布し、積極的な使用を促しました。

 サッカーではこれが世界に伝わり、各国の子どもたちの試合、さらに大人たちの試合でも使われるようになりました。バレーボールも、フェアプレーを奨励するために最初は子どもたちの大会で導入。これが、大人の世界にも広がったというわけです。

 ちなみに、競技が違えばカードの意味も異なります。ホッケーのグリーンカードは、レッド、イエローに次ぐ罰則のためで、2分間の退場になります。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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