五輪競泳で“溺れかけ”ながら完泳 世界最遅のスイマーが英雄に 政府も動かした感動の100m【オリンピック名珍場面】
THE ANSWER / 2024年8月1日 2時33分
■夏季五輪で起こった名珍場面を回顧
パリ五輪は連日熱戦が繰り広げられている。夏季大会は1896年に第1回大会が開催され、今回で33回目。記憶に残る名場面、珍場面も数多く生まれてきた。4年に一度のこの機会に、過去の出来事を「オリンピック名珍場面」として振り返る。2000年シドニー大会では、たった8か月の練習で水泳男子100メートル自由形に出場した赤道ギニアのエリック・ムサンバニが不格好ながらも懸命の泳ぎで何とかゴール。今も残る“世界最遅”の記録を作った。観客から大喝采を浴びて五輪精神を体現した。
赤道ギニアからやってきた史上最遅のスイマーが英雄になった。競泳男子100メートル自由形予選第1組。スタート台に上がったのは3人だった。いずれも五輪参加標準記録を満たしていないものの、各加盟国・地域に男女1人ずつ与えられる特別枠“ワイルドカード”での出場。だが、ニジェールとタジキスタンの選手は「レディ」の声で飛び込んでしまい、フライングで失格となってしまった。
ただ一人残ったムサンバニだけが泳ぐ形に。仕切り直しで勢いよく飛び込むと、まずまずのスピードで進んだ。しかし腕も脚もバタバタで、なかなか進まない。50メートルのターンを終えると、溺れる寸前のような形で、途中で止まりそうになった。それでもスタンドの大歓声を受けて必死に泳ぎ切り、何とかゴール。記録は1分52秒72。後に行われた同種目決勝の優勝タイム48秒30からは1分以上も遅かった。
ムサンバニはもともとがバスケットボールの選手。ワイルドカードの出場での依頼を打診され、練習を始めたのは約8か月前だった。しかも50メートルのプールで泳いだのはこれが初めて。だが、世界に感動を与えた泳ぎの反響は大きく、赤道ギニアでは水泳ブームが生まれ、政府は競泳用のプールも建設した。周囲の環境を一変させた「ビリの英雄」は間違いなくその名を歴史に刻んだ。(THE ANSWER編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
東京五輪マラソン出場選手がパリで100メートルに出たワケ 小国ならではの事情とは
スポニチアネックス / 2024年8月3日 20時43分
-
天性のセンスを武器に=競泳・松元選手〔五輪〕
時事通信 / 2024年8月3日 6時37分
-
【競泳】パリ五輪のプールは〝異常〟か?「水深足りない」「多数の水中カメラ」と米メディア指摘
東スポWEB / 2024年8月1日 13時22分
-
競泳400m個人メドレーで松下知之が銀!「史上最弱」「メダル0」の下馬評覆した貪欲な探求心
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 7時11分
-
パリ五輪に17歳女神スイマー降臨で日本人騒然 「可愛い」「初日から見られて嬉しすぎる」
THE ANSWER / 2024年7月27日 19時43分
ランキング
-
1伊藤美誠 銅メダルの早田ひなに大感激 「どんだけ痛くても絶対やり遂げる選手だと思ってた」ねぎらう
スポニチアネックス / 2024年8月3日 22時55分
-
2柔道混合団体、宿敵フランスに敗れ銀メダル 代表戦にリネール登場に「ルーレットで…マジか?」の声…パリ五輪
スポーツ報知 / 2024年8月4日 2時14分
-
3ああぁぁっ…柔道日本は混合団体で銀 あと1勝から3連敗…最後は抽選リネールに敗れ無念 一二三は大号泣
スポニチアネックス / 2024年8月4日 1時59分
-
4なでしこ無念の8強敗退 アメリカと延長120分死闘も惜敗…3大会ぶりメダル獲得の道は終幕
FOOTBALL ZONE / 2024年8月4日 0時36分
-
5柔道日本の涙の謝罪「顔向けできない」にエール続出 「謝らないで」「堂々と日本に帰ってきて」
THE ANSWER / 2024年8月4日 3時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください