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サッカー男子「23歳以下」女子は「無制限」のなぜ 1世紀近い歴史の差、将来は年齢制限導入も?

THE ANSWER / 2024年8月1日 14時33分

パリ五輪のサッカー女子日本代表【写真:ロイター】

■「シン・オリンピックのミカタ」#38 連載「オリンピック・トリビア」第11回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第11回は「どうしてサッカーの男子は年齢制限があるのに、女子にはないの?」

 ◇ ◇ ◇

Q.どうしてサッカーの男子は年齢制限があるのに、女子にはないの?

A.女子はオリンピックが一番の大会だから。

【解説】

 男子は第2回の1900年パリ大会から行われているサッカーですが、女子が採用されたのは1世紀近くたった96年アトランタ大会から。すでにW杯は91年に中国で第1回が行われていましたが、まだまだ世界的には競技としての認知度は低く、FIFAはオリンピックの力を借りて女子の普及をしようと考えたのです。

 FIFAは男子はW杯が唯一の「世界一決定戦」としていますが、女子は事情が違いました。公式に「W杯よりもオリンピックの方が上」と言っているわけではありませんが、2000年まではW杯がオリンピックの予選を兼ねるなど、実質的に「オリンピック>W杯」でした。

 男子はW杯の位置づけを守るためにオリンピックに年齢制限が設けられましたが、女子は年齢無制限。2004年のアテネ大会からは個別に予選が行われていますが、やはりオリンピック重視は変わりません。

 W杯はオリンピックの前年に行われます。多くのチームがW杯→オリンピックの流れで強化を進めます。W杯をステップにオリンピックを戦うというのが、女子サッカーの流れ。男子と違って、女子のオリンピックはW杯と並ぶ「世界一決定戦」なのです。

 ちなみに、FIFAは女子W杯の価値を高めることに懸命で、賞金なども男子並にしようとしています。将来的には「W杯>オリンピック」の時代が来て、女子も年齢制限が設けられるかもしれません。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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