性別騒動の女子ボクサー「金メダルのためここにいる」 初戦46秒勝ちで物議も「私は誰とでも戦う」
THE ANSWER / 2024年8月2日 9時33分
■パリ五輪
パリ五輪は1日、ボクシング女子66キロ級2回戦が行われ、イマネ・ケリフ(アルジェリア)がアンジェラ・カリニ(イタリア)に勝利した。開始46秒でカリニが棄権。ケリフは昨年の世界選手権で性別適格性検査に不合格となり、出場権を剥奪された過去がある。敗れたカリニは「自分の命を守らなければならなかった」と棄権について説明。相手に対し「彼女が幸せになれることを願っている」と話した。
初回、序盤からケリフの強打を浴びたカリニは、棄権を選択。納得いかない様子で怒りの声も上げていた。ケリフの勝利が場内にコールされると、カリニは膝をキャンバスにつけて号泣。握手などは交わさずリングを降りた。英公共放送「BBC」は「私は試合を最後までやり切ることができなかった。鼻に強い痛みを感じた」と涙ながらに話すカリニのコメントを紹介した。
棄権したことについて、「私の母国や父が悪く受け取らないことを願う。でも、私は自分のためにストップした。人生で一番の試合になるかもしれなかったが、あの瞬間は自分の命も守らないといけなかった」と振り返った。相手のケリフについては「彼女が最後まで続けることを、彼女が幸せになれることを願っている。私は誰かをジャッジする人間じゃない」と話すにとどめた。
英紙「ザ・ガーディアン」などの海外メディアによると、ケリフは国際ボクシング協会(IBA)主催の昨年世界選手権でDNA検査を実施した際、XY染色体を持っていることが証明されたとして、出場権を剥奪されている。ただ、IBAはガバナンス問題と一連の審判スキャンダルをめぐる長年の問題のため、パリ五輪のボクシング運営を禁止されている。
「ザ・ガーディアン」は「パリ五輪のボクシングは現在、IBAよりも緩いルールを持つIOCのパリ2024ボクシングユニットの管轄下で運営されている」と指摘。ケリフが出場できる背景を伝えていた。
ケリフは2021年東京五輪はライト級で出場し、準々決勝まで進出していた。BBCによると、キャリア50戦で9敗しているケリフは「私は金メダルのためにここにいる。私は誰とでも戦う」と話しているという。(THE ANSWER編集部)
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