ブラジル撃破の「奇跡」の裏でまさかの“D評価” 日本が起こした「五輪史上最大の番狂わせ」【オリンピック名珍場面】
THE ANSWER / 2024年8月2日 23時30分
■夏季五輪で起こった事件を振り返る
パリ五輪は連日熱戦が繰り広げられている。夏季大会は1896年に第1回大会が開催され、今回で33回目。記憶に残る名場面、珍場面も数多く生まれてきた。4年に一度のこの機会に、過去の出来事を「オリンピック名珍場面」として振り返る。1996年アトランタ大会男子サッカーでは、西野朗監督率いる日本が世界最強と目されたブラジルを破る大金星。「マイアミの奇跡」は世界的に衝撃を与えたが、現地のムードとその後に下された“評価”は意外なものだった。
1996年7月21日、アトランタから約1000キロ離れたフロリダ州マイアミのオレンジボウルで行われた1次リーグD組の初戦。32年ぶりの五輪出場を果たした日本に対し、サッカー王国ブラジルは後に世界的選手となるDFロベルト・カルロス、MFジュニーニョ・パウリスタ、FWサビオ、FWロナウド(当時の登録名はロナウジーニョ)ら正規のU-23メンバーに加え、オーバーエイジでMFリバウド、FWベベット、DFアウダイールを招集し、初の金メダル獲得に向けて申し分ないチームで挑んだ。
試合はブラジルが一方的に攻撃を仕掛ける展開。日本はGK川口能活のスーパーセーブなどでゴールを与えず、次第にブラジルは苛立ち始めた。そして後半27分、左サイドからのゴール前に上がった山なりのボールにFW城彰二が走り込み、飛び出したGKジダと城を追いかけたアウダイールが衝突。こぼれ球をMF伊東輝悦が押し込んで均衡を破った。その後、ブラジルの猛攻を何とかしのいでタイムアップ。世界のメディアが「五輪史上最大の番狂わせ」と報じたほどの出来事だった。
とはいえ、日本国内のお祭りムードとは対照的に、勝利を収めた選手たちに喜ぶ様子はほとんどなく、西野監督も冷静だった。結局、日本は次のナイジェリア戦に敗れ、第3戦のハンガリー戦は勝ったものの、得失点差で決勝トーナメント進出はならず。帰国後の強化委員会(現技術委員会)では攻撃的にいかなかった西野監督に対し、5段階評価で下から2番目のD評価が付けられるなど、歴史的偉業とは思えないほどの結末だった。(THE ANSWER編集部)
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