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レスリング選手が「白いハンカチ」持っているのはなぜ? 忘れたら重い処分、今も残る“謎ルール”

THE ANSWER / 2024年8月6日 15時33分

パリ五輪、レスリングに出場している文田健一郎【写真:ロイター】

■「シン・オリンピックのミカタ」#66 連載「オリンピック・トリビア」第16回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第16回は「レスリング選手が白いハンカチを持っているのはどうして?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.レスリング選手が白いハンカチを持っているのはどうして?

A.流血の手当てを自分でするため。

【解説】

 近代オリンピックが始まった1896年アテネ大会から行われ、今も続いているレスリング。古代ギリシャの時代から素手で戦う格闘技として抜群の人気でした。ただ、激しいぶつかり合いも多かったため、流血シーンも少なくありませんでした。そんな時、すぐに止血をするためにハンカチ携帯がルールとして明文化されました。

 ルール上は「ハンカチ」で、色の指定はありません。それでも、選手たちが持っているのは白一択。これも起源は明らかではありませんが、血の色が分かりやすいからか、白がルールのようになっています。

 もっとも、実際に大会などで負傷した場合にはセコンドにコーチがいますし、大きな大会ならドクターも控えているはず。自分で止血することはありません。それでも、なぜかルールは残っていますし。所持していなかった場合は失格という重い処分も下されます。

 少し前までは、試合前にシングレット(ユニホーム)の胸元からハンカチを出し、レフェリーに見せるのがルールでした。最近はそんな「儀式」も廃止になりましたが、白いハンカチを持つという「謎ルール」だけは残り続けています。

 ちなみに、ハンカチでゲンを担ぐ選手も少なくありません。先輩から代々受け継いだり、家族から贈られたり。ハンカチには選手の汗とともに、多くの人の思いがしみ込んでいる場合もあるのです。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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